「朝課外」、「0限目」は高等学校で正規の授業の前に行われている学習活動で、Wikipediaでは「主に九州地方(特に福岡県)の高等学校における早朝の課外授業」と書かれています(参照)(参照)。
確かに福岡県立普通科高校75校のうち朝課外(0時限)もしくは放課後課外(7時限)を行っていない高校は2校のみであり、そのうち54校が強制課外授業であると1990年発行の本に書かれています(上村正則 (1990) この残酷なる学校-文部行政の独裁を福岡にみる きかんし出版 1990年12月1日発行)。
しかし僕が見ただけでも例えば鹿児島県では同じように盛んに朝課外が行われています。
この朝課外については基礎的な調査が公開されておらず、どこからどうやって広がったのか分からない点が多いです。
そこで、可能な限り多くの普通科高校の朝課外が始まった時期を調べてみることにしました。
福岡県立福岡中央高等学校百周年史委員会(1998)福岡中央百年史P239によると、「本校では補習は希望制で早朝及び休業中に行われていたが、昭和五十七(一九八二)年度の一年生より全員受講となった。理由としては大学への合格率の低下や近隣の新設校の影響が大きいだろう。また、この時期に十分な基礎学力を身につけさせようという意図もある。というのはこの年の入学生から、いわゆる新課程ということで中学時代に主要な英語、数学の授業時間が大きく減っているからである。」と書かれている、また次の項目では「昭和五十七年、一年生の希望者を対象に夏休みの八月十八日から二十二日までの四泊五日で油山青年の家を使って合宿学習会が行われた。」と書かれている。
福岡県立普通科高校 | ||
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第一学区 | ||
学校名 | 沿革 | 備考 |
築上西 | ||
育徳館(中高) | ||
京都 | ||
第二学区 | ||
門司学園(中高) | ||
門司大翔館(単位制) | ||
小倉南 | ||
小倉 | ||
小倉西 | ||
北九州 | ||
小倉東 | ||
戸畑 | ||
第三学区 | ||
若松 | ||
八幡 | 2019(平成31)年3月31日:廃止(参照) | |
八幡中央 | ||
八幡南 | ||
北筑 | ||
東筑 | ||
中間 | ||
遠賀 | ||
第四学区 | ||
宗像(中高) | ||
光陵 | ||
玄界 | 1987(昭和62)年4月:開始(※) | ※開校。卒業生の証言による。 |
新宮 | (昭和51)年4月1日(開校時) 基本演習という名称で月~土の7:50~8:30に基本事項の反復練習を行う。欠席は正課に準じてHR単位。 | ※福岡県立新宮高等学校(1985)創立十周年誌 |
須恵 | ||
香住丘 | (昭和60)年4月:開始 | 福岡県立香住丘高等学校()福岡県立香住丘高等学校創立10周年記念誌『群青はるか』(平成6年11月5日)の座談会にて1年から早朝と放課後の課外学習があったと述べられている |
香椎 | 福岡県立香椎高等学校創立五十年史編集委員会()創立五十年史(昭和47年1月10日)には補習授業を行っていることが明記。 | |
福岡 | 福岡県立福岡高等学校()福中・福高百周年誌(令和2年2月)には記載なし | |
第五学区 | ||
筑紫丘 | ||
柏陵 | ||
福岡中央 | 1949(昭和24)年6月14日:3年補習開始(始業前、英・数・国) 1950(昭和25)年11月27日:六日制復帰により補習も週6日へ 1951(昭和26)年6月12日:1年成績不良者の補習開始 1952(昭和27)年4月22日:1年生英語成績不良者への補習開始 1959(昭和34)年7月23日:RKBが補習授業状況をテレビ撮影 1982(昭和57)年4月:補習が希望制から1年生より全員受講に(大学進学率低下・近隣新設校の影響・新課程の影響) 1995(平成7)年4月11日:補習開始(その後毎年春に補習を開始している) | 福岡県立福岡中央高等学校百周年史委員会(1998)福岡中央百年史(平成10年6月6日)には当時補習(7:40~8:30)を行っていると明記。 |
春日 | ||
太宰府 | ||
筑紫中央 | ||
武蔵台 | ||
筑紫 | ||
第六学区 | ||
城南 | 1964(昭和39)年4月7日:8時限授業を初めて行う(P51) | 福岡県立城南高等学校()城南高等学校創立30周年記念誌(平成5年11月1日) |
修猷館 | ||
早良 | ||
玄洋 | 福岡県立玄洋高等学校(1998)福岡県立玄洋高等学校創立15周年記念誌(1998(平成10)年3月19日)・福岡県立玄洋高等学校()福岡県立玄洋高等学校創立30周年記念誌((平成25)年2月22日)のどちらにも記載なし | |
筑前 | ||
糸島 | ||
第七学区 | ||
浮羽究真館 | ||
朝倉 | ||
朝倉東 | ||
朝倉光陽 | ||
第八学区 | ||
小郡 | ||
三井 | ||
明善 | ||
久留米 | ||
第九学区 | ||
八女 | ||
福島 | ||
第十学区 | ||
三潴 | ||
大川樟風 | ||
伝習館 | ||
山門 | ||
三池 | ||
大牟田北 | ||
第十一学区 | ||
田川 | ||
東鷹 | ||
西田川 | ||
第十二学区 | ||
嘉穂(中高) | 1987(昭和62)年:全員参加※ | ※「嘉穂百年史」編集委員会 (2001) 嘉穂百年史 2001(平成13)年10月15日発行 P156 |
嘉穂東 | ||
嘉穂総合 | ||
第十三学区 | ||
鞍手 | ||
直方 | ||
福岡県立総合学科高校 | ||
青豊 | ||
福岡魁誠(旧粕屋) | ||
福岡講倫館(旧西福岡) | ||
ありあけ新世 | ||
稲築志耕館 | ||
鞍手竜徳 | ||
福岡県公立普通科高校 | ||
福岡市立福岡女子 | ||
福岡市立福岡西陵 | ||
北九州市立 | ||
久留米市立南筑 | ||
公立古賀竟成館 | ||
公立三井中央 | ||
大分県公立高校 | ||
全校 | 2018(平成30)年3月:廃止(参照) | |
宮崎県立普通科高校 | ||
宮崎大宮 | 1961(昭和36)年度~1962(昭和37)年度の間:開始(参照) | |
宮崎北 | 2022(令和4)年3月:廃止(参照) | |
高千穂 | 2022(令和4)年3月:廃止(参照) | |
高城 | 実施せず(参照) | |
小林 | 実施せず(参照) | |
延岡星雲 | 実施せず(参照) | |
宮崎県立高校(普通科以外) | ||
本庄 | 2022(令和4)年3月:廃止(参照) | |
宮崎農業 | 実施せず(参照) | |
宮崎海洋 | 実施せず(参照) | |
高鍋農業 | 実施せず(参照) | |
富島 | 実施せず(参照) | |
日向工業 | 実施せず(参照) | |
門川 | 実施せず(参照) | |
鹿児島県立普通科高校 | ||
与論 | 2021(令和3)年3月:廃止(参照) |
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