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チラシの裏 2019年5月


2019年5月31日(金)[記憶(3)~長期記憶]

 いつの間にか5月も終わりますので、記憶にケリをつけないといけません。

 さて、長期記憶ですが、持続期間は半永久的で保持容量に限界なしと考えられている夢のような機能です。いやいや。忘れる事があるやろと言われる方もいらっしゃると思いますが、それは忘れているのではなく想起手がかりがなくて想起に失敗してるんだと考えるようです。つまり、覚えておく過程(保持・貯蔵)と思い出す過程(想起・検索)に関係してるようです。

 長期記憶は、言葉にできる宣言的記憶(顕在記憶)と言葉にできない非宣言的記憶(潜在記憶)に分けられているようです。宣言的記憶は一般的な知識である意味記憶と経験に関する記憶であるエピソード記憶に分けられます。非宣言的記憶には特定の行動の手順である手続き記憶があります。

 どのように記憶されているかについてはいくつかの理論があるようです。一つ目は概念は階層構造になってるという意味ネットワーク理論。二つ目は階層性はなく意味的類似性の近さによって配置され、共通する特徴に従って連結されているという立体的ネットワークモデルの活性化拡散理論です。


2019年5月30日(木)[記憶(2)~短期記憶]

 感覚記憶で注意を向けられた情報は、短期記憶に送られてきます。短期記憶とは心許ない名前ですが、その名の通り注意を向けた情報を一時的に留めるためのものです。保持時間は15~30秒で、容量は7±2チャンク程度とされています。チャンクというのはまとまりというような意味で(あったと記憶していま)す。

 反復想起する維持リハーサルにより維持したり、既に持っている情報と関連付ける精緻化リハーサルにより長期記憶に送るかしないと、情報は失われます。

 短期記憶の情報処理機能を重視した作業記憶(ワーキングメモリー)という捉え方もあり、その考え方では計算や会話や推理など様々な認知機能を合わせて情報処理を行うという機能があると捉えられています。

 感覚記憶、短期記憶と見てきて、次は長期記憶ですが、別の分け方もあるようです。臨床神経学では保持時間数十秒の即時記憶、一旦頭の中から消えて再び想起される保持時間数分~数十日の近時記憶、何度も繰り返し想起され、失われにくい保持時間数ヶ月~数十年の遠隔記憶に分けているようです。


2019年5月29日(水)[記憶(1)~感覚記憶]

 心理学の試験勉強するからには記憶について把握して、心理学的に楽な勉強をしないといけません。そこでエビングハウス(Hermann Ebbinghaus,1850.1.24-1909.2.26)の忘却曲線を参考にして一夜漬けしようと思いましたが、さすがに無謀な感じです。

 現在、記憶には覚える過程(記銘・符号化)、覚えておく過程(保持・貯蔵)、思い出す過程(想起・検索)の3つがあると考えられています。うまく思い出さないのは、うまく覚えていないからだとされているそうです。どうやって覚えているか分かれば、うまく覚える方法が分かるかもしれません。

 僕達の得た情報は、そのままの形で瞬間的に保持する感覚記憶にまず送られると考えられています。視覚刺激の記憶(アイコニックメモリー)の保持時間は1秒以内。聴覚刺激の記憶(エコーイックメモリー)の保持時間は数秒以内と考えられています。

 保持時間が短いので、忘れたくなければ早く情報を次の短期記憶に送らないといけません。感覚記憶は注意を向けた情報を短期記憶に送っていると考えられており、そこで送られなかった情報は失われるとされています。


2019年5月28日(火)[ニュース]

 日本国内でも辛いニュースがありました。個人的にも辛いニュースが重なりました。今の気持ちを表現する曲は、MartikaのToy Soldiers(参照)だろうかと思いましたが、倒れた兵士達はある意味良い所に行きます。

 そうなってくると、約束の地に向かうPet Shop Boys(Village People)のGo west(参照)なのでしょうか。Pet Shop Boys版のPVは特に倒れた兵士達に沿うものでしょう。

 でもなんか違う。一番大きいのは祝福ではなく、寂しさと悔恨の念です。そう思っていると、oasisのDon't Look Back In Anger(参照)が流れてきました。ちょっと違うけど、全国的にもそういう曲の日なのかもしれない。ただでさえ罪人が罪人に思えず、罪無き人が原罪を抱えて見える日なのだから。

 うとうとして、久しぶりに記憶に残る夢を見ました。「いじり」による妨害で、職場に辿り着けない夢です。職場は以前勤めていた牧歌的な約束の地のようでしたが、なぜか神奈川県川崎市にあるようでした。


2019年5月27日(月)[原付オイル交換備忘録]

 先日、原付が止まっちゃった件(参照)ですが、数日後、バッテリー交換(参照)をしてなんとか直りました。ちょうどオイル交換のタイミングだったので、先日そちらもやってみました。今乗っているヤマハビーノの交換は2度目なのですが、色々忘れていたので備忘録を付けときます。

 まず、ドレーンボルトなるものを外しました。今回は底面にある物を19mmのボックスレンチで反時計回りに回して外しました。以前乗っていたホンダトゥデイと同様に側面にもあるらしいので、次回からは無理せずそちらを12mmのボックスレンチで外してオイルを抜くのが身の丈に合ってるかなと思いました(参照参照)。

 オイルを抜き終わったら、ドレーンボルトを締めてオイルを入れないといけません。前回は「ヤマハ純正のスクーター用でないとダメ!」という話を真に受けてしまい、オイル入手に時間がかかりました。今回は、10w-30または10w-40を使えばよい(参照)という話を信じて安いオイルを試しています。

 750ml入れればいいのに、オイルは1000mlあります。オイルジョッキはないので、前回はビーカーに250ml入れてから残りを注いだのですが、今回は何を思ったのかビーカーから注いでしまいました。かなりこぼして後始末が大変でした。次回は気を付けようと思います。


2019年5月26日(日)[TAT]

 先日、EPPSを調べた際(参照)に出てきたマレー(Henry Alexander Murray,1893.5.13-1988.6.23)の主題統覚検査(Thematic Apperception Test:TAT)を調べてみようと思います。TATを作ったのは、マレーともう一人。芸術家にして作家にして心理学者だったらしい(参照)モーガン(Christiana Drummond Morgan,1897-1967)らしいです。TATは、様々な受け止め方ができる場面が描かれた絵を見て自由に物語るという投影法の心理検査です。マレーの欲求-圧力理論に基づいて作成されたものです。

 パーソナリティーは個人と環境の相互作用であるエピソードによって把握でき、エピソードは個人の内的欲求と環境から個人への外的な圧力から成り立つという欲求-圧力構造が主題(theme)の意味らしいです。また、個人が知覚したものを意味付ける心の動きが統覚(apperception)であるので、個人が知覚して語った物語を分析すればパーソナリティーが明らかになるという事のようです。

 原版は31枚あり、様々な人物(3枚だけ人物なし)が描かれています。他に子ども用のCAT(Children's Apperception Test)や高齢者用のSAT(Senior Apperception Test)があり、その2つを作成した中の中心人物であるべラック(Leopold Bellak, 1916.6.22-2002)は、ヤマアラシのジレンマ(参照)で知られています。CATについては、動物を主人公にしたべラックの10枚組の物と戸川行男(TOGAWA Yukio,1903.2.1-1992?.1.3)らがリスを主人公にして作った17枚組の物があるそうです。

 解釈については、原法では欲求-圧力理論ですが、標準的な方法は確立してないという事です。実施法や解釈が標準化されていないため、客観性に劣るとされる場合があるようです。自我防衛的になり平凡な反応しかしない事もあるとも指摘されているようです。それらの理由等によって、ロールシャッハテストより対人関係がとらえやすいという利点もありながら、日本では投影法はロールシャッハテストが圧倒的に多いのが現状らしいです。


2019年5月25日(土)[人格(15)~16-PF人格テストとPFスタディ少しずつ]

 16-PF人格テスト(The sixteen personality factor questionnaire)は、知能のGf-Gc理論(参照)でお馴染みのキャッテル(Raymond B. Cattell, 1905.3.20-1998.2.2)の因子分析的研究によるものだそうです。

 PFと言えばP-Fスタディ(Picture Frustration Study)ですが、16PFがpersonality factorなのに対し、こちらはPicture Frustration。絵画欲求不満テストと訳されていて、ローゼンツヴァイク(Saul Rosenzweig,1907.2.7-2004.8.9)が開発した投影法による検査です。右側の人物が何らかの不満状態を示している24枚の欲求不満場面の絵を見て、吹き出しの中に自由に言葉を書き込むものです。対象年齢は4歳以上。所要時間は約20分(参照)。

 実際は、6~15歳対象の児童用、12~20歳対象の青年用、15歳以上対象の成人用が発売されているようです。診療報酬点数の区分はD284-2で中難度の人格検査ということになり、点数は280点で2800円の報酬(参照)らしいです。解説書は4320円(税込)で検査用紙は20部で5400円(税込)。サンプルセットというものもあり、解説書に用事5部ついて5670円(税込)(参照)だそうです。

 と、長々とPFスタディを調べたのも、16PFの情報をあまり探しきらなかったからです。日本語版を売ってないんでしょうかね。とりあえず参考書等によれば、16PFは16の一次因子と4つの二次因子を見る187の質問項目からなるようで、プロフィール表示できるようです。もちろん質問紙法です(参照)。


2019年5月24日(金)[人格(14)~PILテスト(Purpose in LIfe Test)]

 PILテスト(Purpose in LIfe Test)(参照)は、実存的心理療法(Logotherapy)の(参照参照参照)フランクル(Viktor Emil Frankl,1905.3.26-1997.9.2)が原案を作ったそうです。作ったのはクランバウ(James Charles Crumbaugh,1912-2001)とマホーリック(Leonard Thomas Maholick,1921-2001.10.2)。その人が、「人生の意味・目的、生きがいを見出しているかどうか測定するテスト(参照)」らしいです。

 適用年齢は成人で、所要時間は約30分。B5判8頁の割に時間がかかるなと思ったら、「パートA、B、Cの3部から構成され、パートAは20項目の質問紙で、回答は7つの選択肢から1つを選ぶ。パートBは13項目からなる文章完成テスト、パートCは自由記述。パートB、Cについては専門家による解釈が必要(参照)」なのだそうです。

 そのため、診療報酬点数の区分はD284-3で、点数は280点(参照)。D284ということは人格検査で、280点ということは中程度で2800円の報酬(参照)です。テスト用紙は200円(税抜)で、手採点用の記録用紙はB・C分析シート、プロフィールシート、解釈シートの3枚綴で200円(税抜)です(参照参照参照)が、「パートB、Cについては専門家による解釈が必要(参照)」なので安いもんかもしれません。ちなみに判定サービスもあり、医療機関・カウンセリング機関向けスコアリング・サービスは1部1620円。個人向け判定サービスは1部2700円です(参照)。

 ちなみにB5判32頁のPILテストマニュアルは1500円(税抜)。専門家に頒布するB5判4分冊で全580頁のPILテストハンドブックは14000円(税抜)です(参照参照参照)。これは、「詳細な例文を含む評定基準を公開し、自習用のケースを呈示するとともに、すでに臨床で応用している各分野の実践報告を集大成したもの(参照)」だそうです。これを誰かに読ませるくらいなら、判定サービス使う方が合理的でしょうね。個人向けには四六判320頁で1800円のテスト付の書籍もある(参照)ようで、こちらを読むのが妥当なようです。


2019年5月23日(木)[人格(13)~EPPS]

 EPPS(Edwards Personal Preference Schedule)はマレー(Henry Alexander Murray,1893.5.13-1988.6.23)の社会的欲求の概念に基づいて作成された質問紙法性格検査だそうです(参照)。マレーは投影法のひとつである主題統覚検査(Thematic Apperception Test:TAT)の基になった欲求-圧力理論を開発した事で知られている人だそうです。

 欲求と言えば、マズロー(Abraham Harold Maslow,1908.4.1-1970.6.8)の自己実現理論(Maslow's hierarchy of needs・欲求段階説)の5段階の考え方(参照)が有名ですが、マレーは人間の欲求を生存に不可欠な生理的欲求である臓器発生的欲求(一次的欲求)と社会生活を営む上で必要な社会的欲求である心理発生的欲求(二次的欲求)に分けました(参照)。マレーは、臓器発生的欲求として11種類。心理発生的欲求として28種類を挙げたそうです(参照)。

 EPPSはマレーの挙げた心理発生的欲求の概念に基づいて作成されました。それを測定する事で達成、自律、支配、持久、追従、親和、内罰、異性愛、秩序、養護、攻撃、他者認知、顕示、救護、変化という15の性格特性を評価するようです(参照参照)。

 作ったのは、マレーの弟子であるエドワーズ(Allen Louis Edwards,1914-1994.7.17)。師匠の考えを元に作った検査に自分の名前を付けるのはよくわからない考えですが、そういう人もいるのでしょう。日本版の検査用紙には高校用と大学・一般用があったようで、いずれも絶版になっています。学生相談や職業相談に使われていたようですね(参照)。


2019年5月22日(水)[人格(12)~交流分析とエゴグラム]

 エゴグラム(参照)はデュセイ(John M. Dusay,-)が交流分析(Transactional Analysis:TA)(参照)における構造分析を元に作成しました。日本では、東大式エゴグラム(Tokyo University Egogram:TEG)が使われています。交流分析はアメリカの精神科医バーン(Eric Berne,1910.5.10-1970.7.15)が開発しました。「人は自分の存在を他者に認めてもらうために交流(ストローク)している」という基本的な人間観、コミュニケーション観が特徴です。

 構造分析というのは、人が誰でも持っている自我状態の中で個人としてまたはその状況でどれが優位かを分析するものです。自我状態には、親(Parent:P)、大人(Adult:A)、子ども(Child:C)の3つがあり、エゴグラムではそれを批判的な親(Critical Parent:CP)、養護的な親(Nurturing Parent:NP)、大人(Adult:A)、自由奔放な子ども(Free Child:FC)、順応した子ども(Adapted Child:AC)の5つにわけています。この状態のそれぞれにどれだけ心的エネルギーを費やしているのかを測定するのがエゴグラムです。

 交流分析には、構造分析の他にやりとり分析、ゲーム分析、脚本分析があります。やりとり分析は2者間で相互にやりとりする言葉や態度がP、A、Cのどの自我状態から出ているのか分析するものです。PからCに対しての言葉にCからPに対するように返した場合、ベクトルは平行であり相補的交流というスムーズなものになります。ところがAからAに対するように返すとベクトルは交差的交流になり行き違いが生じます。他に裏表がある裏面的交流もあります。

 交流分析では悪循環に陥った対人関係パターンをゲームと呼んでおり、その分析をするのがゲーム分析です。交流分析の中核だそうです。また、親からの否定的メッセージによって形成された強迫的に従っているものを人生脚本と呼び、その分析をするのが脚本分析です。その内容を知り、書き換える再決断をするのが交流分析の最終的な目的らしいです。この際、「今ここ」を重視する事などから、人間性心理学に位置付けられているそうです。また、方法的には認知行動療法と似ているのかもしれません。


2019年5月21日(火)[人格(11)~その他の検査]

 参考書を読んでいると、パーソナリティー検査の項にMMPI、矢田部ギルフォード性格検査、MPI、NEO-PI-R、向性検査、エゴグラム、EPPS、PILテスト、16-PF人格テストが例示されていました。

 このうち、YG性格検査(参照)とMMPI(参照)とNEO-PI-R(参照)は一応調べていました。

 ユング(Carl Gustav Jung,1875.7.26-1961.6.6)の性格類型論を調べましたが(参照)、向性検査については調べていません。同様にアイゼンク(Hans Jurgen Eysenck,1916.3.4-1997.9.4)についても触れていましたが(参照)、MPI(Maudsley Personality Inventory)モーズレイ性格検査(参照)は調べたと言えるかどうかよく分かりません。

 エゴグラムとEPPS(Edwards Personal Preference Schedule)とPILテスト(Purpose in LIfe Test)と16-PF人格テスト(The sixteen personality factor questionnaire)は確実に調べていないので、調べていこうと思います。16-PF人格テストはGf-Gc理論(参照)のキャッテル(Raymond B. Cattell, 1905.3.20-1998.2.2)によるもののようですね。


2019年5月20日(月)[生活能力(適応行動)・問題行動(不適応行動)尺度(2)]

 残りのCBCL、TRF、SDQ(参照)を調べてみます。

 CBCL(Child Behavior Checklist)とTRF(Teacher's Report Form)は、アッケンバック(Thomas M. Achenbach,1940-) が開発したアッケンバック実証に基づいて心理社会的な適応/不適応状態を包括的に評価するシステムであるASEBA(Achenbach System of Empirically Based Assessment)の一部らしいです(参照)。他にもCTRF(Caregiver-Teacher Report Form)、YSR(Youth Self Report)、ASR(Adult Self Report)、ABCL(Adult Behavior Checklist)、OASR(Older Adult Self Report)、OABCL(Older Adult Behavior Checklist)があるようです。年齢層(1歳6ヶ月~高齢者)と評価者(自己・他者(保護者・教師等))によって分けられているようです(参照)。1歳6ヶ月~5歳を対象に保護者が記入するのがCBCL1.5-5(Children Behavior Checklist 1.5-5)。同年代対象に保育士が記入するのがCTRF(Caregiver-Teacher Report Form)。6歳~18歳を対象に保護者が記入するのがCBCL6-18(Children Behavior Checklist 6-18)。同年代対象に教師が記入するのがTRF(Teacher Report Form 6-18)(参照)。11歳~18歳を対象に本人が記入するのがYSR(Youth Self Report)。18歳~59歳を対象に本人が記入するのがASR(Adult Self Report)。同年代対象に他者が記入するのがABCL(Adult Behavior Checklist)。60歳以上を対象に本人が記入するのがOASR(Older Adult Self Report)。同年代対象に他者が記入するのがOABCL(Older Adult Behavior Checklist)だそうです(参照)。

 CBCL(Child Behavior Checklist)は、こどもの行動チェックリストと訳されているようです。感情的、行動的、社会的側面を測定しているそうで、「注意欠陥・多動性障害、反抗挑戦性障害、行為障害、小児うつ病、分離不安障害、小児期の恐怖症、社交不安障害、特定の恐怖症、その他小児期から青年期までの様々な行動と感情の問題の診断」に使われるそうです(参照)。

 最後のSDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)ですが、子どもの強さと困難さアンケートと訳されるようです。3~4歳用と4~16歳用があるらしいです。CBCL1.5-5は100項目、CBCL6-18は120項目あるのに対して、SDQは攻撃的行為、多動、情緒、仲間関係、社会性の5分野で計25項目と遥かに質問項目が少なく、保護者や保育士が5分で答えられるそうです。イギリスを中心にヨーロッパで広く使用されているとの事で、名前の通り子どもの困難さ(difficulty)だけでなく強み(strength)も評価できるのが特徴らしいです。CBCLとの相関も高いそうで、イギリスの研究ではCBCLよりも不注意と多動の検出は有意に優れているらしいです(参照)。


2019年5月19日(日)[生活能力(適応行動)・問題行動(不適応行動)尺度(1)]

 先日も読んだ発達障害児者のアセスメントツールに関する調査では、Vineland適応行動尺度(Vineland-Ⅱ)というものの日本版を作ったよと書いていました(参照)。Vineland-Ⅱは対象の適応行動と不適応行動を測定できるんだそうで、適応行動はコミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキルの4側面を測定するらしいです(参照)。

 はあそうですかと調べてみると、この検査は0歳0カ月~92歳11カ月が適用範囲。実施時間は20分~60分で、対象者の様子をよく知っている回答者に半構造化面接を行う方法のようです(参照)。「全体的な会話から次第に詳細事項へと移行する感じで、自然な会話の中で各項目について質問していく方法(参照)」なのだそうで、問題を単に読み上げる方法ではありません。そのため、15,000円(税抜)のマニュアルをきちんと読んでおく必要があるようで、記録用紙は20名分で10,000円(税抜)です(参照)。

 最近の研究では、以前(参照)調べたADI-RとADOSに加えて、適応行動尺度を実施する事により、診断の信頼性が上がるとされているようです(参照)。僕たちは診断しないので関係ありませんが、支援のためにも有用ではあると思います。前述の調査では、よく使われる生活能力(適応行動)・問題行動(不適応行動)に関するツールとして、S-M社会生活能力検査、知的障害者福祉協会版、CBCL、TRF、SDQが挙げられていました(参照)。

 S-M社会生活能力検査 第3版(Social Maturity Scale Third Edition)は、対象児の日頃の様子から社会生活能力の発達を捉える検査だそうで、乳幼児~中学生が対象だそうです。実施時間は20分で、第3版は2016年に発売されたそうです(参照)。知的障害者福祉協会版知的障害者用アセスメントはどうやら知的障害者福祉協会が出している書籍らしく、最新版は2013年版みたいです(参照)。僕らが使っているのはこれなんでしょうかね。


2019年5月18日(土)[万世のY染色体]

 最近、女性天皇だの女系天皇だのの是非が議論されているようです。別に女性でも女系でも良いじゃないかと思いますが、女性はまだしも女系は今までなかったと反対論があるようです。

 女系反対論の中に、科学的に見えるものがありました。僕たち人間は、通常46対の染色体を持っています(参照)。そのうちの1対が性染色体になるわけです(参照)が、男性であれば通常XY、女性であれば通常XXの組み合わせになっています。このY染色体(参照)は男親から受け継がれるので、男系であれば万世一系に同一染色体を持つ事になるが、女系だとそれが変わってしまうというのです。

 しかしそこで思ったのが、乗換えの存在(参照)。減数分裂(参照)の際に相同染色体間で部分的な交換が起きる現象です。つまり、僕たちは両親から半分ずつ染色体を受け継いでいるわけですが、僕らの持っている染色体と同じ染色体を親は持っていないのです。

 結論を言うとX染色体とY染色体には相同性が残された部分があり、そこでは乗り換えが起こるそうです。また、Y染色体内部での組み替えもあるらしいです(参照)。そう考えると、例え男系でもY染色体をそのまま受け継いできたわけではないようです。


2019年5月17日(金)[書斎]

 通常勤務の終わりは21時なのですが、僕の上がりは普通に22時とか22時30分とかになります。

 仕事の後に少し試験勉強したいのですが、以前使っていた24時間スーパーのイートインコーナーは使えなくなりました。長時間占拠している僕らに腹を据えかねた人がクレームを入れ、21時以降閉鎖されることになったのです。

 そこで、深夜安くでゆっくりできる場所を探していますが、なかなかないものです。中でも驚いたのは、25時間営業と看板に書いている黒田屋。最近24時間営業をやめた店舗があるようです。

 結局、コンビニのイートインコーナーか24時間営業のマクドナルドかなと思っていますが、マクドナルドってドライブスルーのみの24時間営業が多いんですね。ちょっと困っています。


2019年5月16日(木)[SNS映え]

 今年度から、週一回ペースで泊まり勤務が入っています。今日は泊まり明け。なんかリフレッシュしたいなと古い街並みを見に行きました。

 場所は、福岡市早良区次郎丸。古い白壁の家が数軒あるのですが、切り取り方によってはどこかの観光地みたいな写真が撮れます。

 SNS映えと言いますが、こういう風な切り取り方で映える景色は世界中至る所にあるのではないかと感じます。

 どこかの世界遺産の写真をネタにして、身近な場所に行ってそれとかする写真を撮る企画も面白そうだなと思いました。


2019年5月15日(水)[Tグループ]

 エンカウンターグループはTグループ(Training Group)を元にして生まれたのだそうです(参照)。Tグループは、場の理論(field theory)やツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)の研究や境界人(marginal man)の概念で知られるレヴィン(Kurt Zadek Lewin,1890.9.9-1947.2.12)の着想から生まれたものなのだそうです。

 レヴィンは、1946年にコネチカット州で行われたユダヤ人に対する雇用差別撤廃研修に協力していたそうです(民主的な風土づくりのリーダー養成セミナーという説もあり(参照))。夜に行われたスタッフだけの会議に参加者が加わり、スタッフの観察記録に異議を唱え出したのだそうです。そこでレヴィンは、参加者と研究者が共に率直に検討する重要性に気付いたらしいです。グループワークの学習には、講義より「いまここ」のグループ体験を元に学習した方が有意義だと考えたわけです。レヴィンは翌年の1947年に他界しましたので、この方法を実現させられませんでした。その代わり、その年に全米教育協会内のNTL(National Training Laboratories)がメイン州でTグループ(Training Group)を実現させたそうです(参照)。

 Tグループは10名前後のグループに2名のファシリテーターが加わって行われるそうです。ファシリテーターは何の指針も出さず、ひたすら「いまここで起こっていること」について意見や感情を出し合うそうです。ファシリテーターからは、参加者の心の開き方等についてフィードバックをしていくらしいです。そうして徐々に率直な意見交換がなされるようになり、参加者全員が心を開いた状態になるのだそうです。そして、本来の自分という事への気付きを得ると共に、参加者間の信頼を深めるとのことです(参照)。

 資料を読むと、エンカウンターグループも10名前後のグループに2名のファシリテーターがいるらしいので、その辺は踏襲されてるんですね。色々違いはあるようですが、時間ができたら調べてみたいと思いました(参照参照参照参照参照)。


2019年5月14日(火)[白雪姫の義母はなぜ毒林檎を作られるのか]

 白雪姫で悪役になっている義母には、様々な謎があります。なぜ王と結婚したのか。なぜ毎日鏡に問いかけるのか。なぜ世界で一番美しくないと納得できないのか。なぜ猟師と親しいのか。なぜ毒林檎を作れるのか。

 恐らく義母は猟師の娘です。かなり美しく、しかも現代では科学者に相当する技能を持つ才色兼備のキャリアウーマンだったと推定されます。その評判を聞き付けた王が義母を口説き落としたというのが真相なのでしょう。

 しかし王は家庭生活に無関心でした。頼みの夫は守ってくれず、成り上がりの義母に対する周囲の態度はかなり厳しかったと思われ、義母は孤独であったと推定されます。毎日鏡を見て自分の美しさを確認する事だけが、義母の心の支えだったのでしょう。周囲から支持された義理の娘を、自分を受け入れない王宮の象徴として捉えていたのかもしれません。その娘が美しく成長しているのを意識した時、義母の精神が変調を来したのでしょう。

 という妄想をしていました。


2019年5月13日(月)[グループ(構成的)エンカウンター]

 前回は、ベーシック(非構成的)エンカウンターについて調べました。今回は、エンカウンターグループのもう一つとされるグループ(構成的)エンカウンター(Structured Group Encounter:SGE)について調べてみます。色々調べてみましたが、1967年頃に國分康孝(KOKUBU Yasutaka,1930.11.10-2018.4.19)が開発したのが構成的エンカウンターらしいです(参照)。國分康孝はエリス(Albert Ellis,1913.9.27-2007.7.24)の論理療法(Rational Therapy:RT(現・理性感情行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy:REBT))を日本に紹介した事で知られている日本のカウンセリング心理学の草分け的存在です。著書も多く、僕もお世話になりました。

 構成的エンカウンターでは、ファシリテーターがあらかじめ課題を用意しています。参加者はまずグループでファシリテーターから与えられたエクササイズ(演習)を行うそうです。その後、それぞれが感じた事や気付いた事をグループ内で意見交換するシェアリングを行うそうです(参照参照)。

 個人の問題ではなく共通体験の中で起きた感情について相互交流していくので、交流の方向や深度をコントロールできるのだそうです。短時間でできるのも利点とされています。学級や職場など自発的ではない大人数の参加者でもやれるのも利点でしょう(参照)。プログラムが定型化されているため、それほど熟練者でなくても進行する事ができます。まあ、カウンセリングの基本的な素養や的確な指示を出して集団を引っ張っていく力は必要とされているようですが(参照)。

 國分は、河合隼雄(KAWAI Hayao,1928.6.23-2007.7.19)らが貢献した臨床心理士制度(参照)に一家言あった事でも知られています。心理療法家とカウンセラーは違うというのが主旨だったようですが、対人援助職すべて(あるいはもっと広い範囲で)がある意味カウンセラーであるという考えも根底にあったようです(参照)・参照参照)。構成的エンカウンターだけでなく、國分は折衷型カウンセリング技法の提唱でも知られています(参照)。心理学的な援助を一握りの心理専門職だけでなく多くの人々に普及させたいという思いが一貫してあったのだなと改めて感じました。


2019年5月12日(日)[ベーシック(非構成的)エンカウンター]

 前回は、ピア・カウンセリング(peer counseling)というのがどうやらコウ・カウンセリング(co-counseling・再評価カウンセリング(Re- evaluation Counseling))らしいということを調べました。カウンセラーではない方々が中心のカウンセリングと言えば、ロジャーズ(Carl Ransom Rogers,1902.1.8-1987.2.4)が開発したという集団心理療法であるエンカウンター・グループ(encounter groups)と言うか、細かく言うとベーシック(非構成的)エンカウンターグループを思い起こします(参照)。

 知りませんでしたが、エンカウンターグループという用語には3つの意味があるそうです。一つ目は「特にアメリカでベトナム戦争、カウンターカルチャーの影響で盛んになった人間性回復運動、エンカウンタームーブメントとしての意味」。二つ目は「集中的グループ体験(Tグループ、サイコドラマ、ゲシュタルトグループ、交流分析、感受性訓練、人間関係ラボ)としてであり、手法はさまざまであるが、数時間から数週間にわたるグループ経験をもとにした技法の意味」。三つ目はベーシックエンカウンターグループの意味だそうです。日本では通常三つ目の意味で使いますが、欧米では一つ目や二つ目の意味で使うことが多いらしいです(参照)。ただ、日本ではエンカウンターグループにベーシック(非構成的)エンカウンターとグループ(構成的)エンカウンター(Structured Group Encounter:SGE)を含む事が多いようなので(参照参照)、必ずしもベーシックエンカウンターグループを指しているとは言い難いと思います。

 エンカウンターとは出会いという意味だそうで、メンバーがそれぞれ本音を言い合う事によって互いの理解を深めると共に、自分自身の受容と成長や対人関係の改善などを目指すものがエンカウンターグループ(参照)なのだそうです。ベーシックエンカウンターグループにおいては自発的に集まった少人数のメンバーにより構成されるのが基本なのだそうで、1回につき数時間のセッションを何回か行うために日常から離れた場所に数日間、合宿形式で行うことが多いそうです(参照)。ファシリテーターという進行役によって進められ(参照)ますが、課題等は用意されていません(参照参照)。メンバーから自由に提供された話題に添って展開していきます (参照)。その場で起きたことそのものについて参加者は、感じるままに本音で意見交換をしていくそうです(参照参照)。話題を提供したメンバーに対して他のメンバーは、受容と共感によって、関わっていく態度が求められるそうです。グループエンカウンターに比べるとグループが親密な雰囲気になるのだそうで、かなり深い感情レベルでの交流になるケースが多くなるのが特徴なのだそうです(参照)。

 しかし一方で、ファシリテーターにとっては難易度が高いのだそうです。フリートークでありながら、安全と信頼に気を配らないといけませんし、メンバーのスムーズな相互交流を促進しないといけませんし、危機的な場合は介入しないといけません。そのため、ファシリテーターには高度なあり方(Being)や経験や技量というカウンセリングの深い素養を必要とするそうです(参照参照)。そのような素養がなかった場合、参加した事自体がトラウマとなり、精神的な落ち込み(ブレイクダウン)を引き起こす参加者が出てしまう事もあるのだそうです(参照参照)。そのため、ファシリテーターになるための研修というのも数多くあるそうです(参照参照)。また、エンカウンターグループは健常人を対象としたもので精神病、境界例の人への適用は慎重を要するという指摘や、科学性・実証性に関して(ロジャーズ理論自体も含めて)乏しいとする主張もある(参照)ようです。この辺は反論もあったと記憶していますが、試験が終わったら読み返そうと思います。


2019年5月11日(土)[自助グループとピア・カウンセリングと]

 知り合いの元引きこもりが、引きこもりの居場所作りをしたいと言っていました。しかし、具体的に何がしたいのかよく分からないので自助グループについて調べてみました。

 自助グループとは、特定の悩み事を抱える人同士が互いに励まし合いながらその悩みを様々な形で克服していくための集団です。1935年にアメリカで設立されたAA(Alcoholics Anonymous)というアルコール依存症者によるグループ(参照)が原型とされているようですが、現在は様々な分野で応用されているようです(参照参照)。

 これっていわゆるピア・カウンセリング(peer counseling)につながるものなのかなと思いましたが、手法的には色々違うようです。ピア(peer)とは仲間・同輩・対等者の意味だそうで、同じような立場・境遇にある人同士が、対等な立場で悩みや不安を話し、共感的に聞き合いながら、解決策を見出していくこと(参照)を指すようです。

 ピアカウンセリングは、1960年代から1970年代初めにアメリカのカリフォルニア州で始まった自立生活運動(Independent Living Movement・参照参照)の中でスタートしたそうです。自立生活運動は障害を持つ当事者自身が自己決定権や自己選択権を育てあい、支えあって、隔離されることなく、平等に社会参加していくことを目指しているそうです。自立生活運動における仲間への基本姿勢のようなものがピア・カウンセリングだとされているようです(参照)。

 なんだかぼんやりしてるなと思ったら、ピア・カウンセリングというのは日本での独自な用語のようです。元々ピアという言葉は、1970年代に前述のAAの中で使われていたそうです。その用語とコウ・カウンセリング(co-counseling・再評価カウンセリング(Re- evaluation Counseling))の技法が結び付いたのが、ピア・カウンセリングなのだそうです(参照)。コウ・カウンセリングとは、専門家ではない一般の人同士が時間を等分して、聞き手と話し手が交替して話を聞き合うという、カウンセリングの手法だそうです。「聞き手の暖かいまなざしと愛情を感じて、自分の生きてきた過程を話し、思い出していく中で、傷ついた過去があるとき、《感情の解放》という自然な過程(例えば、泣く・笑う・震えるなど)を経る」事で、自らが本来持っていた知性や力を取り戻すのが目的らしいです(参照)。具体的には二人一組になって交互に同じ時間ずつ徹底的に互いの感情を聞き合うそうです(参照)。アメリカから日本に輸入したという安積遊歩さんによれば、「感情の声を大事にし、感情を発散して解放することで思考がスムーズになる(参照)」との事。考え方としては、フロイト(Sigmund Freud,1856.5.6-1939.9.23)のカタルシス効果(cathartic effect)に似ています。カタルシス(catharsis)とは浄化という意味です。不安や緊張の原因となっている無意識の中に抑圧した欲求や感情や衝動を意識化し、言語や行為を通じて解放する事を指しています。このカタルシスによって症状が消失する事がカタルシス効果です(参照)。


2019年5月10日(金)[元年]

 先月まで平成31年と言っていたのに、今月からは令和元年だと言っています。つやつけてますが、要は令和1年なんですよね。てか、そもそも何で令和0年はないのだ。確かに令和になって1年目だと言われればその通りですが、日本は数学的(?)ではないのですね。

 しかし、よく考えたら、西暦0年も無かったわけで、西暦1年の前年は紀元前1年です。西暦が始まった頃のヨーロッパには0がなかったので仕方ないのでしょうが、現在から考えるとちょっと不自然な気がします。

 そう考えると、生まれた時の年齢が1歳という数え年というものが、昔は自然だったのだなと思います。0歳は存在しないわけですから、最初の年は生まれて1年目で1歳という感覚だったのだなと今更ながら気付きました。1月1日に年を取るという感覚はよく分かりませんが。

 まあ、西暦で言うと1年1月1日0時が原点(0)に当たるのでしょう。定規で測って1mm以下だった時、0mmよりも1mmだと表現する方が、僕にとっては自然です。0は点であるという感覚なのでしょうか。


2019年5月9日(木)[ADI-R・ADOS-2・CARS]

 件の論文では、診断・評価用には自閉症診断面接改訂版(Autism Diagnostic Interview-Revised:ADI-R)、自閉症診断観察検査第2版(Autism Diagnostic Observation ScheduleTM, Second Edition:ADOS-2)が推奨されているようです(参照)。

 まずは、自閉症診断面接改訂版(Autism Diagnostic Interview-Revised:ADI-R)ですが、1989年にADIが発表され、2003年に改訂されたようです。著者はルクーター(Ann Le Couteur,?-)、ロード(Catherine Lord,?-)、ラター(Michael Llewellyn Rutter,1933.8.15-)らしいです。日本版は2013年に出たようです(参照)。精神科の診断基準のDSMに対応させて作成したようです。この検査は、養育者への半構造化面接によって行われます。所要時間は90~150分程度。2歳から成人までを対象とし、発達早期および現在の行動特性や対象者の強みである能力などを細かく聞いていくそうです。ASDの診断は主に幼少期の特性をもとに判定されますが、他に支援に役立つ多くの情報を得ることができるそうです(参照)。一人あたりの用紙は2160円(税込)。マニュアルは8100円(税込)です(参照)。しかも受講料3万円(税込)のワークショップ参加が推奨されています(参照)。

 続いては、自閉症診断観察検査第2版(Autism Diagnostic Observation ScheduleTM, Second Edition:ADOS-2)。ロード(Catherine Lord,?-)、ラター(Michael Llewellyn Rutter,1933.8.15-)、ディラヴォー(P.C. DiLavore,?-)、リージ(S. Risi,?-)、ゴタム(K. Gotham,?-)、ビショップ(S.L. Bishop,?-)、ルイスター(R.J. Luyster,?-)、ガスリー(W. Guthrie,?-)が2012年に改訂したようです(参照)。こちらもDSMに対応しているそうで、本人を直接観察する検査になります。そのため、検査用具(スターターセット)を購入する必要があります。対象は1歳~成人までで40~90分程度。年齢と言語水準によって5種類のモジュールに分かれていて、そのうち1つを使用します。標準化された検査用具や質問項目を使って半構造化された場面を設定して、最終的に自閉症、ASD、非ASDの3分類が可能との事です(参照)。スターターセットが55万円(税抜)で、用紙は5名分で4500円(税抜)。マニュアルが25000円(税抜)で(参照)、導入ワークショップは16200円(税込)かかります(参照)。ADI-Rは過去の、ADOSは現在の特性で判定を行うため、診断において相補的な関係なのだそうです。支援上は、ADI-Rによって周囲の人が感じている困難や課題の情報を得られ、ADOSによって本人の対人コミュニケーションの特徴に関する情報を得られるのだそうです(参照)。

 また、件の論文では、小児自閉症評定尺度(The Childhood Autism Rating Scale:CARS)の改訂版であるCARS2も取り上げられていました(参照)。CARSは1971年に考案され、2012年に改訂されたようです。ノースカロライナ州立大学TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children)部のショプラー(Eric Schopler, 1927.2.8- 2006.7.7)、ライクラー(R.J.Reichler,?-)、ラナー(B.R.Renner,?-)が作ったらしいです。CARSは3歳~?12歳対象らしく、幅広い年齢の小児に対応しています(参照)。本人の様子を観察して、15項目をチェックして特性や自閉症スペクトラム(ASD)の程度を評価するようです(参照)。2500円の書籍に評定シートがついているようです(参照)。CARS2についてはもう少し調べてみないといかんですが、あまり深入りすると試験勉強に影響しますのでやめときます。


2019年5月8日(水)[AQ]

 件の論文では、2次スクリーニングの検査として面接式の広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度とPARS-TR。質問紙式のAQ(Autism-Spectrum Quotient)とAQ児童用が挙げられています。PARSについては以前調べましたので、今回はAQを調べます。

 通常版(16歳から)は2001年、児童用は2006年にどちらもバロン=コーエン(Simon Baron-Cohen, 1958.7.23-・参照)、フィールライト(Sally Wheelwright,?-)らが作成したようです(参照)。僕が以前、心療内科でやれと言われたのもAQでした。医科診療報酬点数の世界で心理検査は、発達及び知能検査(D283)、人格検査(D284)、認知機能検査その他の心理検査(D285)の3種類あるそうです。その中で難易度が1(操作が容易なもの=検査及び結果処理に概ね40分以上を要するもの)、2(操作が複雑なもの=検査及び結果処理に概ね1時間以上を要するもの)、3(操作と処理が極めて複雑なもの=検査及び結果処理に1時間30分以上要するもの)の3段階あるのだそうです。ちなみに点数はそれぞれ80点(800円)、280点(2800円)、450点(4500円)(参照)だそうで、AQはD285-1(認知機能検査その他の心理検査で操作が容易なもの)にあたり、80点(800円)らしい(参照)です。これ次の診察までにやっといてとポイと渡すだけで800円儲かるわけですか。30部で6480円なので(参照)、一部216円。584円しか入らないと考えたら、ポイと渡すのも頷けますが、どうもコピー臭かったんですよね。3割負担なので240円も払ってると、なんとなく釈然としません。何はともあれ対象者が自分で記入し、所要時間は10~20 分程度らしいです(参照)。

 検査は社会的スキル、注意の切り替え、細部への注意、コミュニケーション、想像力の5領域あるそうで、設問数は50問。総合点で自閉症スペクトラム障害の傾向の高さを測るそうです(参照)。

 また、1999年にラター(Michael Llewellyn Rutter,1933.8.15-)等が出したというSocial Communication QuestionnaireもAQと同じように「記入時間が10~20分程度と短く採点も簡便であり,カットオフ値を超えればASDの可能性が強く示唆されるので臨床上有用(参照)」らしいです。


2019年5月7日(火)[青空と新緑]

 久しぶりの日中事業所の仕事で峠を越えた。遠くからだと一色に見える木々も、濃淡の新緑が幾重にも重なってとても美しい。

 見上げると、雲ひとつない上級な青空。雲のない空は少し物たりないが、爽快な気持ちになるのもまた事実。空を真っ青に塗って済ませたい思いは、僕にもある。

 そんな美しい空の下、高層ビルの屋上から飛び降りる女性の映像が話題になっていた。真っ青に晴れ渡った空を見ても、晴れない心がそこにはある。

 むしろ、真っ青であればあるほど晴れない心もあるのかもしれない。あの山々の木々のように、様々な色がある景色を大切にできたらと思う。


2019年5月6日(月)[CHAT・M-CHAT・ASQ]

 ある心理学者が出した文書によると、検診等の1次スクリーニングにはM-CHATやCHATなど。2次スクーリニングAQ、AQ 児童用、Social Communication Questionnaireなど。診断・評価用には自閉症診断面接改訂版(Autism Diagnostic Interview-Revised:ADI-R)、自閉症診断観察検査第2版(Autism Diagnostic Observation ScheduleTM, Second Edition:ADOS-2)が推奨されているようです(参照)。

 1次スクーリニングに使われるCHAT(Checklist for Autism in Toddlers)は、1992年辺りにイギリスで作られたようです。男脳女脳で知られるバロン=コーエン(Simon Baron-Cohen, 1958.7.23-・参照)、アレン(J. Allen, ?-)、ギルバーグ(Lars Christopher Gillberg,1950.4.19-・参照)が作ったようです(参照)。ダウンロードもできるらしいですよ。英語だけど(参照)。

 このCHATをアメリカで改良したのが、M-CHAT(The Modified Checklist for Autism in Toddlers)。1999年だか2008年だかそこいらで作られたらしいです。どうもM-CHAT-Rという改訂版も出ているようですが、2009年ってのはそれですかね。清書するまでに調べます。ロビンズ(Diana L. Robins,?-)、ファイン(Deborah Fein,?-)、バートン(Marianne Barton,?-)が作ったらしいです。これも養育者への問診によって調査するそうで、アメリカでは2歳前後を想定して作られ、日本版では1歳半検診での使用を想定しているとの事です。23項目あり、そのうちの6項目が重要項目とされていて、全項目中3項目以上か重要項目中2項目以上チェックされた場合に自閉症の可能性があると判断するようです(参照)。アメリカ版のM-CHATは使用許諾条件に従えば色々使えるようです(参照)。パブリックドメイン検査ができんかなと思いましたが、この類が必要な機関の予算は比較的潤沢だと思いますので不要でしょうね。ちなみに-CHATは結構使われているようです(参照)。

 CHATは早い時期から検査できる反面、「軽微」な自閉症は検出しにくいのだそうです。そこで日本版が作られたのが自閉症スクリーニング質問紙(Autism Screening Questionnaire:ASQ)です(参照)。ASQは、ベルメント(Sibel Kazak Berument,?-)、ラター(Michael Llewellyn Rutter,1933.8.15-)、ロード(Catherine Lord,?-)、ピクルス(Andrew Pickles,?-)、ベイリー(Anthony Bailey,?-)によって開発されたようです(参照参照)。DSM-IVやICD-10のための自閉症の面接基準である自閉症診断面接改訂版(Autism Diagnostic Interview-Revised:ADI-R)を基に作成されたそうで、対人相互作用、コミュニケーション、常同的・反復的な行動様式という自閉症の3つの基本的障害についての質問項目からなっているそうです。質問は40問で所要時間は5~10分程度。4~5歳用と6歳以上用の2種類あるそうです。自閉症とそれ以外の広汎性発達障害(非定型自閉症、アスペルガー症候群など)、広汎性発達障害を伴わない発達障害(行為障害、言語発達遅滞、知的障害など)を見分ける事が出来るそうです(参照)。こちらも養育者への問診形式ですが、養育者が直接記入してもいいとしている販売者もあります(参照)。ちなみに日本版は39問らしいです(参照)。

 と、1次スクーリニング検査を3つ見てみましたが、成人用は挙がっていません。これは、成人まで判断できんかったらスクーリニングやっとる場合やないやろという事らしいです(参照)。


2019年5月5日(日)[PARS]

 別の所では、成人期に発達障害を疑われた方のアセスメントに使用する検査が紹介されていました。そこでは、DSMの診断に基づき作成された注意欠陥多動性障害検査(多動性リスト・不注意リスト)、広汎性発達障害検査(PARS:日本自閉症協会評定尺度)、成人知能検査(WAIS-III)、小児・思春期知能検査(WISC-IV)が挙げられていました(参照)。

 成人期に疑われるということは、知的障害を伴わないケースだと思います。しかし、そういう場合、ウェクスラー式検査では発達障害特有のプロフィールは出にくいというのが1990年代以降の研究で明らかになっているのだそうです(参照)。それでも、ウェクスラー式検査は現場でよく使われてるというかよく備え付けられているような気がします(参照)。まあ、WISC-Rをよく見るので、1970年代の研究に準拠して購入されて忘れられているという事なのでしょう。同様に、スクリーニング検査によるAutism Spectrum Quotient(AQ:自閉症スペクトラム指数)で診断している場合もあると批判されています(参照)。

 PARS-TR(Parent- interview ASD Rating Scale-Text Revision)は親面接式自閉スペクトラム症評価尺度テキスト版とも呼ばれているようで、一般社団法人発達障害支援のための評価研究会が作成しているようです。販売元によると、主養育者を対象にした半構造化面接で行われます。所要時間は短縮版では30~45分程度、全項目版では1時間半程度だそうですが57項目だそうです。が、年齢によって設問数は異なり、面接と採点を含んでいるとの事です。3歳以上が対象で、医療点数も450点に設定されています。自閉スペクトラム症(ASD)の発達・行動症状についてその存否と程度を評定し、適応困難の背景に自閉スペクトラム症の特性が存在している可能性を把握することができるそうです。支援ニーズと支援の手がかりを把握すると共に、養育者の対象者への理解を深める事も目的らしいです(参照参照)。

 PARS-TRは広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度と共に2次スクリーニング用のツールとして薦められている文書もありました(参照)。


2019年5月4日(土)[発達検査(2)]

 世間ではゴールデンウィークらしく、近所のバイク屋さんが悉くお休みでした。そのため、徒歩と地下鉄でホームセンター等を見て回りました。なかなか欲しい部品や工具が売ってなくて、いつもの倍歩いていました。

 さて、紹介されていたうちのもう一つあるK式発達検査は1931年に設立された京都市児童院(現京都市児童福祉センター)で開発された発達検査で、Kは京都のKらしいです(参照)(参照)。1983年に新版K式発達検査増補版が刊行され、2001年に新版K式発達検査2001が刊行されています(参照)。発達の全般的な進みや遅れやバランス等を捉える検査だそうで、所要時間は約30分。長いですが、子どもにとっては遊びと捉えられるような設定で、子どもの自発的で自然な行動が観察できるようになっているそうです。生後100日頃から満12~13歳頃までが適用年齢と考えられているようですが、新生児用から生活年齢14~15歳級までの検査項目までを含んでいるそうです。姿勢・運動(P-M)、認知・適応(C-A)、言語・社会(L-S)の3領域について評価するそうです。子どもが力を発揮できるよう、ある程度の柔軟性が認められているとの事です(参照)。

 次に乳幼児精神発達診断法。津守式と呼ばれる検査です。保育学者の津守真(1926.1.9-2018.12.10)を中心に標準化され、1961年に0歳~3歳まで(津守、稲毛)が、1965年に3歳~7歳まで(津守、磯部)が刊行され、1995年に0歳~3歳までの増補版が出されています。増補版では発達指数への換算がなくなっています。問診によって養育者の日常的な観察を聞き取る検査で、20分程度で検査できます。3~7歳までに関しては、養育者が記入する形式も可能です。問診なので子どもの状態に左右されませんが、養育者の主観が入る可能性があります。1~12か月、1~3歳、3~7歳の発達質問紙毎に違いますが、基本的に運動、探索、社会、生活習慣、言語の5領域で構成されています。質問紙では、1~12か月は運動、探索・操作、社会、食事、理解・言語の5領域。1~3歳は運動、探索・操作、社会、食事・排泄・生活習慣、理解・言語の5領域。3~7歳は運動、探索、社会、生活習慣、言語の5領域構成です。津守らは各領域別の精神発達の過程を出生~7歳までの精神発達段階として示しているそうです。知的発達と関係が深いという探索領域は、生後4ヶ月までの受動的反応、5ヶ月の有意的操作、6~10ヶ月の外界探索11~19ヶ月の探索的試行、20~35ヶ月の構成的操作36~53ヶ月の表現・想像、54~84ヶ月の表現・目標の7段階に特徴付けているそうです(参照)。この検査も発達障害のアセスメントに少数ながら使われている(参照)ようです。

 次は、KIDS乳幼児発達スケール(Kinder Infant Development Scale)。血液型占いを信じてしまうFBI効果で知られる心理学者の大村政男(1925.10.4-)らが1989年に標準化しました(参照)。こちらも養育者に問診あるいは記入してもらう形式です。対象は0歳~6歳11ヶ月です。この検査は、体全体の大きな動きを表す運動。手指などの意図的な動きを表す操作。言葉の理解を表す理解言語。話すことのできる言語を表す表出言語。状況依存によらない言語的理解を表す概念。友達との協調関係を表す対子ども社会性。大人との関係(特に親子関係)を表す対成人社会性。社会生活における基本的なルールを表すしつけ。衛生感覚や食事の基本的なルールを表す食事の9領域に分かれています。質問項目が豊富らしく、通常は0歳1ヶ月~0歳11ヶ月対象のタイプA、1歳0ヶ月~2歳11ヶ月対象のタイプB、3歳0ヶ月~6歳11ヶ月対象のタイプCを使うようです。各年齢層毎の3種類とは別に0歳1ヶ月~6歳11ヶ月対象のタイプTというものもあり、このタイプは検査項目が多めにあって時間がかかるそうです。発達の遅れやばらつきがある際に使用するようになっているそうです。他では分野毎の発達年齢しか出さないのに対して、タイプTでは設問毎の月齢が出せるようになっているとのことです。KIDS乳幼児発達スケールは比較的新しい検査なので、津守式や遠城寺式と比較すると同様の設問でも比較的低年齢に設定されているそうです(参照)。こちらも発達障害のアセスメントで少数ながら使われている(参照)ようです。

 とりあえず2回に渡って発達検査を見てみました。K式発達検査以外の遠城寺式乳幼児分析的発達検査法、日本版デンバー式発達スクリーニング検査、日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査、MCCベビーテスト、乳幼児精神発達診断法(津守式)、KIDS乳幼児発達スケールの6つはスクリーニング検査であると言えそうです。何でこんなに乱立してるんだと思いましたが、発達検査をする機会がある人々の学問別に作られているのかなという感想を持ちました。例えば、1歳半健診・3歳児健診等での発達検査を行う事が多い保健師さんは看護学領域なのでしょう。看護学領域では日本版デンバー式が作られています。小児科で発達検査をする医師や看護師がいるでしょうが、小児医学領域では遠城寺式が作られています。保育園で保育士さんが発達検査をする場合には保育学領域で作られた津守式があり、それらの牙城に心理学領域のKIDSが割って入ったのでしょう。僕はどれもやった事がないのでそれぞれの長所や短所が分かりませんが、恐らく今後もやる機会はないでしょう。とりあえず発達障害児者のアセスメントツールの効果的使用と その研修についての成果物(参照)を読んどこうと思います。試験終わったら(^_^;)


2019年5月3日(金)[原付が止まった]

 泊まり勤務明けに少し休み、原付で帰っているとトンネル内で急にエンジン警告灯が点灯し、エンジン出力が落ちて停止しました。歩道のないトンネルをびくびくしながら原付を押して抜けて、歩道のある場所に止めてエンジンをかけようとしてもかかりません。

 調べてみるとエンジン警告灯の点滅回数がトラブル内容を示しているそうで、今回は39回。「フューエルインジェクター」とトラブルらしく、「フューエルインジェクター断線またはjショート検出」なのだそうです(参照)よく分かりませんが、ガソリンが少なくなるとエンジンがかかりにくい上にガソリンが少なかったなと思い至りました。

 そこで、坂道を原付を押して越え、ガソリンスタンドで200円分給油してみました。沢山入れて廃車になるともったいないですし、沢山入れるほど原付は重くなります。すると、キックでエンジンはかかるようになりました。かかってはいますが、乗って走れるほどの出力が出ないようです。エンジン警告灯は46回に変わり、どうやら「車両系統電圧」というもので、「電源電圧が正常でない。」ようです(参照)。

 しばらくエンジンをかけていると、乗れる位に出力が出るようになりました。しかし、100mほど走るとまた出力が落ちます。故障なのでしょうね(参照)。連休なのでバイク屋さんが開いているのか。修理できるのかが心配です。ようやく連休に入ったらこれだよ。


2019年5月2日(木)[発達検査(1)]

 発達障害に関する心理検査を調べています。まず出てきたのが、1歳半健診・3歳児健診等での発達検査。一例として、新版K式発達検査2001(参照)と遠城寺式乳幼児分析的発達検査法を挙げているサイトがありました(参照)。

 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法は、スクリーニング検査(screening test)と呼ばれる類いのものです。スクリーニング検査とは、「無症状の者を対象に、疾患の疑いのある者を発見することを目的に行う検査(参照)」の事です。

 この検査は九州大学医学部附属病院の小児科医で、ゆとり教育で知られる寺脇研(1952.7.13-)の祖父である遠城寺宗徳(1900-1978)を中心に原案が作られて1958年に標準化されました。1977年に改訂され、九大小児科改訂版として用いられています。適用年齢は0ヶ月から4歳8ヶ月まで。検査が容易で15分程度で行えるそうです。運動、社会性、言語の3分野に分かれていて、運動分野には移動運動と手の運動が、社会性分野には基本的習慣と対人関係が、言語分野には発語と言語理解の合わせて6領域があります。それぞれの領域の発達年齢を折れ線グラフにするそうですが、全領域の発達年齢は出さないのが特徴らしいです(参照)。発達障害児者のアセスメントツールとしても少数ながら使われている(参照)ようです。

 スクリーニング検査には、他に日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST)というものもあるそうです。これは、1967年にフランゲンバーグ(W. K. Frankenburg, )とドッゾ(J. B. Dodds,)によって標準化されたデンバー式発達スクリーニング検査(DDST:Denver Developmental Screening Test)の日本語版です。看護学者の上田礼子(1934-)らが標準化し、1980年に公表したそうです。DDSTが1992年にDDSTⅡに改訂され、日本小児保健学会が改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)を出したようです(参照)。

 スクリーニング検査には、他にも日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査やMCCベビーテスト等もあるようです。


2019年5月1日(水)[平成の余録]

 「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」というのが日本国憲法第一条です。だから国民は統合されねばならぬ。だから総意に従わねばならぬという意見も出るでしょうが、それは右翼的な発想なのでしょう。

 国民が統合されなければ当然象徴もないのであって、総意が変わればこの条文(天皇制)も変わるという発想が恐らく左翼的なのでしょう。或いは、総意が変わって条文が変わるのを望んでいるのが左翼的なのかもしれません。今上上皇(?)の言動は左翼的な人々の共感を得てきました。敬愛すらされるようになったように思います。(意図的ではないと思いますが)天皇制の反対者の支持を得ることで国民統合を実現させる、絶妙な方略だと思います。

 しかし、天皇が政治的な発言をするのは危険です。(憲法遵守義務があるから妥当な発言であると仮にしても)危険性を指摘すべき左翼が、(同意見だからといって)発言を歓迎して容認するのは違和感を感じます。確かに天皇の発言に政治的な機能はありません。一人の人間として、意見表明する権利がないというのもおかしな事でしょう。それでも左翼はその危険性を指摘すべきだと思います。

 昨日も今日も仕事といういつもとあまり変わらない日常の中にいます。僕らが変わらず日常の中にいるのは、僕らの日常が重要だからだと自分を慰めるしかありません。或いは、喧騒を無価値であると断罪しても良いでしょう。そうして、僕らを除外した煩わしい喧騒を黙殺したいと思います。

【2019年5月2日追記】

 つらつら考えて見ましたが、天皇が政治的な発言をしても影響がなければ問題ないわけです。

 現状を見る限り天皇の政治的な発言により(自らの退位を除き)影響は出ていませんし、発言を重ねる事で影響の恐れは更に少なくなるでしょう。


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