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チラシの裏 2021年2月


2021年2月28日(日)[ここは今から倫理です。(6)]

 昨日もここは今から倫理です。ドラマの第6回を見ました。今回は「自己と他者との関係」の話のようでした。公式Twitterではアメリカの哲学者エリック・ホッファー(Eric Hoffer, 1902.7.25-1983.5.20)の「他者への没頭は自分から逃げるための手段である」という言葉が紹介されています。ホッファーは正規の学校教育を受けた事がない異色の学者らしいです(参照)。

 適応は外的適応(社会的適応)と内的適応(個人的適応)に分類されるそうで、前者は個人が所属する文化や社会的環境に対する適応、後者は心的状態が安定している事を意味するそうです(参照参照)。過剰適応(over adaptation)という用語があります。元々はアルコール依存症の家族研究から出てきた概念らしいのですが、学校現場では不登校等の視点から研究されてきたそうで、言語的な定義はまだ定まっていないそうです(参照)。様々な定義を総合すると、周囲等の他者からの期待に応えようと努力して外的適応をしている状態なようです。内的適応が低くても外的適応が高ければ集団への適応は高まるわけで、過剰適応の適応的側面もあるわけです。その一方で過剰適応者に見られる「自分らしさの欠如」、「他者基準」、「社会適応能力の高さ」という要因は外的不適応に及ぶそうで、他者に内的不適応が伝わりにくい事や本来の自分らしさの感覚の乏しさが問題点として指摘されているようです(参照)。オーバーアチーバー(over achiever)(参照)的なものだと気軽に調べたら結構奥深くて驚いています。過剰適応は良くないと思い込んでいましたが、適度なストレスは必要なのだと同じように過剰適応の良い面と悪い面を知らないといけないと思いました。

 デシ(Edward L. Deci,1942-)とライアン(Richard M. Ryan,1953-)の動機づけ(motivation)には内発的動機づけ(intrinsic motivation)と外発的動機づけ(extrinsic motivation)がある事は知られています。前者は好奇心や関心等の内的なもの(動因)によってもたらされる動機づけで、創意工夫して継続的に行うことができるとされています。後者は義務、賞罰、強制などによってもたらされる動機づけで、即効性や汎用性があるとされています。自律性が高ければ内発的動機づけと同様の行動が期待できるようです(参照参照)。このドラマには「勉強は楽しいもの」「自分のやりたい勉強をして欲しい」というメッセージがあったような気がしますが、外的適応一辺倒で外発的な動機による勉強から内的適応や内発的な動機も意識していこうという事かなと思いました。

 ドラマで主演の山田裕貴さんは最後に「勉強するのは何のためですか?」と問いかけています。知識は生活を楽しくします。一例を挙げると旅行に行く時にその土地の予備知識があると僕は楽しめる性格です。また僕は、基本的に興味ある事しか勉強しません。最近は心理学と当時の社会や他の学問との関係に興味が出てきました。だから哲学にも興味が出てきたわけで入門書を2冊(参照参照)買ってきました。仕事のヒントになりそうな本(参照)は次回に持ち越ししました。この本をヒントにしようとするのが既に異端なので内発的動機づけですが。

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2021年2月27日(土)[マウントは苦手]

 今日は実家に行って少し修理した後に帰りました。ここは今から倫理です。ドラマの第6回を今から見ます。その前にドラマ六畳間のピアノマン(参照)を今見ました。今回はパワハラ犠牲者の動画配信を見て歌手を志した地下アイドルの女子高生が主人公のようです。夢や希望や目標や信念や良心等、個人が大切にしているものなんか簡単に踏みにじられてしまう世の中です。それどころか生存すら脅かされてしまいます。そんな中、誰もが一人じゃないと思えるようにするには何が必要なのだろうと考えさせられました。

 尊敬している支援者が法人を去ります。高い使命感を持つ人、支援力が高く自分にはできない支援ができる人、経験や知識を持っている人、人柄が優れている人。様々な人がいますが、僕の尊敬している人は組織的には冷遇されている事が多いです。それがとても残念で、悲しくて、腹が立ちます。

 福祉の仕事は、結果を客観的に示す事が難しいです。要因が多いため長期的な評価も難しいです。そのため、評価が主観的になったり申告が鵜呑みにされたりします。評価されてないからこそデシ(Edward L. Deci,1942-)とレッパー(Mark R. Lepper,1944.12.5-)のアンダーマイニング効果(undermining effect)(参照)が起こらずモチベーションが維持されているのかもしれません。まああまりにも評価されなさすぎると、ジークリスト(Johannes Siegrist,1943.8.6-)の努力-報酬不均衡モデル(Effort/Reward Imbalance Model: ERI モデル)的に潰れてしまうのでしょう。偉い人達との人間関係を良好にして、成果を自分のものとしてアピールしないといけません。自分が優れていると分からせないと評価される事はありません。世知辛いです。

 そういう事をする人が僕は苦手です。たまたま苦手な人から資格を誇示される事もあり、某国家資格者に苦手意識ができてしまいました。公認心理師試験は5年間実務経験と講習だけで受験できます。資格を誇示したいそういう人達が沢山受けています。公認心理師は心理学に思い入れがある人達にとって待望の国家資格です。教育学部の心理学科卒業で大学院にも行かなかった自分が言うのも烏滸がましいのですが、それを思い入れがない人達が受けているのを見ると正直あまりいい気持ちはしません。そこでも公認心理師と自分が持っていた資格の優位性を誇示する人がいてげんなりします。ちょっと苦しいので、SNSで読むものを整理しました。現実と同じ悩みをネットでもしたくありませんので。

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2021年2月26日(金)[親は絶対ではない]

 一番古いオリンピックの記憶はモスクワで、子熊のミーシャだけを覚えています。ロサンゼルスは能古島のキャンプ場でラジオ中継を聞いたのを覚えています。記憶にあるオリンピックは、みんな政治的で商業的なものでした。オリンピック憲章とかテレビで騒ぐ度、違和感を感じています。

 そのオリンピックを待たず、TBS系列の朝のワイドショー(参照)が3月一杯で終了するそうです(参照)。最近利用者さんが2人これを見るようになっていたのに困ったものです。もう終わりだからか、今日は司会の落語家さん(参照)らがポリコレ(political correctness)気味の本を袋叩きしていました。DV(domestic violence)問題等に取り組んでいる弁護士さん(参照)の著書らしく、子どもに掛ける言葉が将来のDV等に繋がるみたいな内容らしいです。一例を挙げると、「好きな子には意地悪しちゃうもんね」みたいな声掛けが好きな人への暴力容認に繋がりひいてはDVを招くとの主張でした。いやいやいやいやいやいや。言葉掛け一つで人生が変わるとか・・・。そういう言葉掛けをされた人でDVしてる人がいたかもしれませんが、そういう言葉掛けをされたけどDVしていない人の方が多いのではないでしょうか。「犯罪者の98%はパンを食べている(参照)」と似た論法です。恐らく早まった一般化(Hasty generalization)(参照)と呼ばれる誤謬(参照)ではないかと思います。

 そもそも親の養育態度が子どもの性格に与える影響については議論があり、中にはほとんど影響がないとする説もあります(参照)(参照)(参照)。1994年時点で「同年齢の友人と仲間集団は,青年の準拠集団としてこの発達段階における社会化を促進すると同時に家族との結びつきを解消することを助けていると考えられて(参照)」いました。僕も「青年期における友人、仲間との対人関係の発達が、児童期から引き継いできた両親への感情的依存と家族への忠誠から抜け出して、友人集団を準拠集団とした後に自分の選択した配偶者との家族へと準拠枠を移して行く過程でもあることを示している(参照)」と学習した記憶があります。そもそも「好きな子には意地悪しちゃう」ような態度は思春期以降に否定され、消えていく事が多いのではないでしょうか。消えないとしたらその信念以上の問題があると言わざるをえません。エリック・バーン(Eric Berne,1910.5.10-1970.7.15)の人生脚本(参照)みたいな考え方もありますしチラッと見ただけなので完全に否定はしませんが、見た限りでは乱暴な論理だと思います。まあ、久しぶりに懐かしい名前の論文(参照)を発見できたので感謝はします。

 コーヒーは好きなのに飲むと動悸や焦燥感が出ると書いている人がいました。カフェイン自体には様々な副作用があり、動悸や焦燥感も含まれます(参照)。僕も嘔吐感が出たり歯に違和感が出たりするので、体質的にダメな人もいるかもしれません。それと全く関係ないですが、Androidをハブっていると評判のClubhouse。全録音をAndroidやPCで聴けたりAndroidで普通に参加できるアプリケーションソフトウェアが作られているそうです。AiXさんが開発したOpenClubhouse(参照)は、全会話再生オープンソースアプリなのだそうで、Zhuowei Zhangさんが開発したHipster House(参照)はその類似ソフト。grishkaさんが開発したHouseclub(参照)は普通にClubhouseに参加できるそうです。Hipster Houseの開発期間は20日だそうですが、Houseclubは1日半で作ったそうです(参照)。Clubhouseの開発者よりgrishkaさんが優秀なのか、しばらくの間オシャレでハイソなiPhoneユーザだけに使わせてブランドイメージ作ってからAndroid版を作るつもりだったのか分かりませんがちょっと痛快です。使わないけど(^_^;)

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2021年2月25日(木)[眠れぬ夜と眠らぬ押し付け]

 誰も分かって下さらないかもしれませんが、眠れぬ夜はHITACHI_MUSIC_INN(参照)を思い出してしまいます。福岡県では23:30から24:00の間に放送されていて、音楽しか流さない番組だったと記憶しています。これが眠りを誘うんです。この番組のテーマ曲(参照参照)、当山ひとみさんのOUR_LOVELY_DAYSって曲(参照)のインストゥルメンタルアレンジ版らしいです(参照)。日立のイメージソングだったそう(参照参照)で、結構長い時間のCM(参照)で使われていました。

 福岡県弁護士会が福岡市立の中学全69校に校則の調査を実施したそうです。その結果を福岡市内で2月20日に開いた「これからの校則」というシンポジウムで発表し、シンポジウムでは東京都世田谷区の区立桜丘中で校則をなくした元校長が、「合理的な理由のない校則を押し付けると、子どもの考える力を奪う」と訴えたそうです(参照)。

 そして弁護士会は22日に福岡市教育委員会に意見書を提出。内容は下着の色を指定したり髪形を規制したりする不合理な「ブラック校則」の見直しを求めるもの。調査を担当した弁護士は、「福岡市教育委員会からは『校長会とも連携し、校則見直しに向けて取り組みたい』との意見をいただいた。校則を一気に変えるのは難しいが、明らかに不必要なものから取り組んでほしい」と述べたそうです(参照)。でも僕は、合理性のない校則はむしろいい教材だと思います。大人の働きかけで是正するのは如何なものでしょうか。それこそ「考える力を奪う」ものだと感じます。生徒達が自ら検討する機会は絶対に作るべきです。ですがその校則を受け入れるか否かは生徒達に委ねるべきです。この動きが大人による上から与えられたものにならないことを祈っています。

 川端商店街の入口近くにある喫茶ふじやのドアには、今でもアジア太平洋博覧会(よかトピア)の開催期間(昭和64年3月17日→9月3日)を知らせるステッカーが貼られているそうです(参照)。貝塚駅の駐輪場には最近まで太平くんと洋子ちゃんがいましたが、改修されて消えてしまいました。まだそんなものが残っていたんですね。

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2021年2月24日(水)[ゲシュタルト療法(2)]

 さて、ゲシュタルト療法は「哲学主義、実存主義、実験主義」とも言われているそうで、「今、ここ」を問題にしているそうです(参照)。怒らせるだけではないんですね。「学問的に分析や解釈をするのではなく、人間としての存在に重点を置いて(参照)」、「過去になにをしたか、それはなぜなのかを問うことはしない、『今・ここ』で、『いかに』・話しているか、『なにを』・話しているかを問題にする。それを気づき、体験すること、そこから全身全霊的な気づき、覚醒を目指し、そこで自分自身であるという自由を取り戻すことを目的とする(参照)」そうです。グループワークショップとして行われることが多い(参照)そうですが、エンプティチェアー(空の椅子)は元々ゲシュタルト療法の手法だったそうです(参照)。ちなみにカウンセラーやセラピストとは呼ばずにファシリテーターと呼んでいるそうで、クライエントもワーカーと呼ぶらしいです(参照)。

 「Gestalt」は「かたち」「形象」という意味のドイツ語(参照)らしいのですが、確かひとまとまりといった意味もあったと思います。それ故か「思考・感情(精神)・身体を『統合』すると言う意味を示してい(参照)」るそうです。

 先日、カイジ ファイナルゲーム(参照)という映画を見ました。クズな男性がギャンブルする漫画だと思っていたらなんか違ったので漫画を最初だけ読んでみました。救いがない漫画で自分には読めない作品でした。漫画であれば自分には向いていないものを避けられますが、現実には避けられないものも多くあります。

 悲しい出来事を怒りで紛らわそうとする人がいます。それは一つの手なのですが、周りにいると巻き込まれてしまいます。出来事の悲しさと怒りを目の当たりにする悲しさが周囲にはダブルで押し寄せます。ゲシュタルト療法とは全く関係ありませんが、今日は「今、ここ」の問題に誘導して誤魔化しました。認知症の方などの妄想への対応の応用です。とりあえずはこれでしばらく乗り切ろうと思います。

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2021年2月23日(火)[ゲシュタルト療法(1)]

 「ゲシュタルトの祈り」というのが紹介されていました。これはゲシュタルト療法(Gestalt therapy)の創始者の一人であるフレデリック・パールズ(Frederick Salomon Perls, 1893.7.8-1970.3.14)が作ったゲシュタルト療法の思想を盛り込んだ詩だそうです。パールズはワークショップでこの詩を読み上げることを好んだそうです(参照)。 パールズは来談者中心療法(Client-Centered Therapy)の創始者であるカール・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers, 1902.1.8-1987.2.4)、認知行動療法(Cognitive behavioral therapy)の基礎の一つとなった論理療法(Rational Therapy)の創始者であるアルバート・エリス(Albert Ellis,1913.9.27- 2007.7.24)と共に20万円するグロリアと三人のセラピスト(Three Approaches to Phychotherapy)という大ヒット教材ビデオに出演している有名人です。相手を挑発して怒らせて抑圧している部分を表面化させて誉めていました(関連)。なかなか恐くこういう詩は意外でした。

 パールズはフリードリヒ・ザロモン・パールス(Friedrich Salomon Perls) としてベルリンで生まれて、ベルリン大学医学部を卒業後にフランクフルト・アム・マイン、ウィーンで精神分析の訓練を受けて、1932年にフロイト派精神分析家の資格を得た精神分析医でした。ナチスからの迫害を恐れて1933年にオランダへ逃亡し、1935年には南アフリカ・ヨハネスブルグで妻のローラ(Laura Perls,1905.8.15-1990.7.13)と精神分析研究所を設立したそうです(参照)。1936年にマリャーンスケー・ラーズニェ(Marianske Lazn?)で行われた国際精神分析学会で論文を発表したそうですが反応があまりよろしくなかったそうで、その論文をもとに1942年に「自我・飢餓・攻撃性(Ego, Hunger and Aggression)」という本を出版して精神分析と決別し、自分達の療法を集中療法(Concentration Therapy)と名付けたようです。1946年にアメリカに移住し、1951年に夫妻はグッドマン(Paul Goodman,1911-1972)、へファーライン(Ralph Franklin Hefferlin,1910.2.15-1974.3.16)と「Gestalt Therapy」を出版したそうです(参照参照)。しかしなぜ、「ゲシュタルト(かたち)」なのでしょう。パールズは精神分析医でゲシュタルト心理学とはあまり関わりがなさそうです。少なくとも当初はゲシュタルト心理学者たちに揶揄された(参照)とも言われているようです。その鍵は妻のローラにあるようです。

 ローラ・パールズはゲシュタルト心理学で博士号を取った人だそうで、ゲシュタルト心理学者で脳病理学者であるクルト・ゴルトシュタイン(Kurt Goldstein,1878-1965)(参照)が主宰するゴルトシュタイン・センターで数年間研究していたそうです。ゴルトシュタインは「有機体としての一人の人間は部分に分けて考えることのできない一つの全体として機能していること、また困難な環境に置かれると人間はそれに適応するために多様な変化を起こすことを?出し(参照)」ていたのだそうです。ちなみにフレデリックとローラはこの研究所で出会ったのだそうで、フレデリックにもこの考えが影響したのかもしれません。ローラは現象学、実存主義哲学も学んだのだそうで、フッサール(Edmund Gustav Albrecht Husserl,1859.4.8-1938.4.27)と会って直接学び、ブーバー(Martin Buber,1878.2.8-1965.6.13)からは直接指導を受け、キルケゴール(Soren Aabye Kierkegaard,1813.5.5-1855.11.11)やハイデガー(Martin Heidegger,1889.9.26-1976.5.26)からも影響を受けたのだそうです(参照参照)。

 他にもエーリヒ・フロム(Erich Seligmann Fromm,1900.3.23-1980.3.18)(参照)や鈴木大拙(1870.11.11-1966.7.12)の影響も指摘されている(参照)そうです。「アドラー心理学を基にはじめられた(参照)」という記述も見られましたが、そのような記述は見つかりませんでした。アドラー(Alfred Adler,1870.2.7-1937.5.28)の個人心理学(individual psychology)はゲシュタルト療法と共に人間性心理学(humanistic psychology)に分類される事もあるためそのように思われる人もいるのかもしれません。

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2021年2月22日(月)[癒しとはなにか]

 昨日は仕事の日でしたが色々調べて夜更かししてしまいました。と言うのも、昨日は過去の解離(Dissociation)(参照)を疑われる体験や、離人症(Depersonalization)(参照)体験や知人等の性暴力被害体験を思い出してしまったからだと思います。ここは今から倫理です。ドラマ公式Twitterでは「あなたはどうやって『心』を癒していますか?」と問われていますが、僕は他人との会話で癒される人間なのだと思います。でも他人には話せない悩みもあります。そういう時は心理学というフィルターを通して辛い事を見直しています。調べたり文を書いたりが好きだからですが、悩みから距離を置いて一旦俯瞰するのも悪くないのではと思います。

 そもそも「癒し」とは何でしょう?「癒し 心理学」で検索すると、「心理療法の場では、自分の内面と向き合うことになるため、一時的に苦しく感じる場合もありますが、そういった過程を通して自己理解が得られるという意味での癒しの作業だといえるでしょう(参照)」という文章が出てきました。内面と向き合わず行動を変えるという療法もあると思いますし、行動から内面を変える療法もあると思います。でも通常の「癒し」というのは単にリラックスできるという風な意味なのかもしれません。そうなると散歩や旅行や読書や音楽鑑賞なんてのが「癒し」なのでしょうか。

 ドラマに関連して、自傷行為についてNHKが精神科医の松本俊彦さんの解説(参照)を上げていました。こういうところはすごいと思います。自傷行為の定義は「自殺以外の意図から、このぐらいだったら死なないよねという非致死性の予測を付けて自分の身体をわざと傷つける行動」とされているそうで、「自殺以外の意図」の中で一番多いのは、「自分じゃ対処できないつらい感情」なのだそうです。そういった強い辛い感情に対処しなければならない時、自分にはそれほど価値はないと考えてしまう人は、誰かの手を煩わせて相談して頼ることができません。感情を抑制するため、そういう人たちは、感情を表す語彙(感情語)が減るのだそうです。過剰適応している中では、自分が自由にできるのは自分の身体くらいしかありません。そして、自傷によって記憶を切り離してなかったことにするというのです。

 周囲の対処法としては、冷静に淡々と対処するのが良いそうです。叱るのが不適当なのは分かりますが、アピールしているわけ訳ではないので過度に寄り添う必要もないそうです。答えられなくても、何があったのか程度をニュートラルな立場で聞く程度が適当らしいです。出来れば傷の手当てをした方が良いそうです。自傷経験がある人は自殺を意図していない訳ですが、自殺によって亡くなるリスクは高いそうです。何か困り事を抱えている可能性があると考えて関わって欲しいとの事でした(参照)。

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2021年2月21日(日)[心と身体]

 昨夜はNHKで、先週放送できなかったここは今から倫理です。ドラマの第5回を見ました。今回は「心と身体」の話のようでした。公式Twitterではフランスの哲学者メルロ=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty,1908.3.14-1961.5.3)の「身体とは『生きられた』身体だ」という言葉が紹介されています。メルロ=ポンティという人は、「精神」を重要視する伝統的な西洋哲学に対して「身体」はただの物質ではなく「生命」のあるものだと言った人のようです(参照)。ドラマでは「我思う、ゆえに我あり(Cogito, ergo sum)」で知られる(参照)フランスの哲学者デカルト(Rene Descartes,1596.3.31-1650.2.11)の心身二元論と、人は皆仏だよと言っているのになんで修行するんやと言ったとされる(参照)禅僧の道元(1200.1.19-1253.9.22)の心身一如論が出ていました。番組後には主演の山田裕貴さんが「あなたはどうやって『心』を癒していますか?」と問いかけています。

 心と体は互いに影響し合っていて、別個なものではないとされています。例えば、「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する。(参照)」と定義される心身症はその最たる例です。とは言え、心ってそんなにしっかりとした物なのでしょうか。「自分が自分の心や体から離れていったり、また自分が自身の観察者になるような状態を感じる(参照)」離人症(Depersonalization)や「ある一連の心理的もしくは行動的過程を、個人のそれ以外の精神活動から隔離してしまう(参照)」解離(Dissociation)は誰にでも起こりうるらしいです。そもそも精神と身体でいうと「泣くから悲しくなる」という1885年にランゲ(Carl Georg Lange, (1834.12.4-1900.5.29)が唱えた物を内包させて1894年にジェームズ(William James,1842.1.11-1910.8.26)が唱えた情動の末梢起源説(peripheral theory of emotion)と、「悲しいから泣く」という1927年にキャノン(Walter Bradford Cannon,1871.10.19-1945.10.1)が提唱して後にバード(Philip Bird,?-?)が立証した情動の中枢起源説(central theory of emotion)と、「泣いた事とそれに対する認知的解釈の2要因によって悲しくなる」というシャクター(Stanley Schachter,1922.4.15-1997.6.7)とシンガー(Jerome Everett Singer,1934-2010)が唱えた情動の2要因説(two factor theory of emotion)のどれが正しいのか今のところよく分かってないようです(参照)。

 今回はリストカットを繰り返す女子生徒と、身体接触を求める男子生徒が出ていました。ドラマでは「貴方だけの身体ではないから大切にしないといけない」と諭されて、自身の所有を確認するために自傷するという感じで描かれていました。自分の身体ですら自分のものではないという経験は大きなストレス要因です。「命の危険を感じたり、自分ではどうしようもない圧倒的な強い力に支配されたりといった、強い恐怖感を伴う経験をした人(参照)」にはPTSD(Post Traumatic Stress Disorder)が起こりやすいというのはよく知られています。また、あまり公に語られる事がないためエビデンスはありませんが、性暴力被害後(参照参照参照)に一見性的に奔放な態度を示す方がいるとも言われています(参照参照参照参照)。受けた被害を軽く見たいからであるという説明が為されて来ていましたが、これも自分の体を自由にできなかった実感を打ち消すためであるという仮説も成り立つのかもしれません(参照)。それはともかくドラマでは、この身体は自分のものだから大切にして欲しいという言葉で収束しましたが、自分の身体は大切であると実感出来た時に少しずつ前に進めていたように僕も感じます。

 今回は身体接触を求める男子生徒も出ていました。主人公の倫理教員は、「教員が異性の生徒に触るとセクシャルハラスメントになる」「教員は公平でなくてはならない」「故に教員は同性の生徒にも触れてはならない」という三段論法で身体接触を拒んでいました。確かに教員は公平性を求められる職業です。ところが福祉の世界に入ると、(完全に守られているとは言えませんが)同性介助の原則というものがあり、とりあえずは解消されました。まあ、現代的な観点では同性であればいいのだというのもおかしいわけですが。とりあえず主人公は交流分析(Transactional Analysis,TA)的にはA(adult)が強すぎる(参照)ようにも思えます。

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2021年2月20日(土)[PECS(The Picture Exchange Communication System)]

 昨日、PECS(The Picture Exchange Communication System)という名前を聞きました。日本語では絵カード交換式コミュニケーションシステムと呼ぶそうですが、絵カードは比較的よく使われます。何が違うのでしょう。PECSは1985年にアンディ・ボンディ(Andy Bondy,?-)とロリ・フロスト(Lori Frost,?-)によって考案され、最初にデラウェア自閉症プログラムで使用されたのだそうです(参照)。PECSの利点として、「最初から自発的コミュニケーションを目指す」、「機能的(実用的)なコミュニケーション・スキルを教える」、「トレーニングはコメントからではなく本人にとってプラスの結果をもたらす要求から始める」、「トレーニングはエラーレス・ラーニング(無誤学習)なので意欲が低下しにくい」、「絵カードを他者に確実に手渡すので人をしっかり意識するようになる」、「最初から般化を教える」、「前提スキルが極めて少ないので,早い時期から開始可能(絵カードを取って手渡すことができればよい)」、「障害が重くても開始可能」、「手伝い(プロンプト)は早くやめていくので指示待ち(プロンプト依存)にならない」、「ローテクで道具は安価である」というのが挙げられていました(参照)。

 療育現場を10年以上覗いてないのであまりコメントできませんが、般化が難しいのは感じていたので「最初から般化を教える」というのはいいなと思いました。アメリカではやられているのでしょうが、日本だと学齢期前、学齢期、成人期と一貫したシステムがないので、難しい部分もあるのかなと思いました。

 さて今日は先週放送できなかったここは今から倫理です。ドラマの第5回放送日です。先週は泊まり仕事だったのでずっとNHKが点いていて、その2時間半前に放送するドラマ六畳間のピアノマンも見ました。安藤祐介さんの小説(参照)が原作のようです。パワーハラスメントに関するドラマのようですが、関わる様々な人々を主人公にした連作らしいです。先週はパワハラの末に過労で事故死した男性の父親が主人公で、今週はパワハラをした上司が主人公でした。パワハラについては色々思うところがあります。パワハラ上司が記憶を無くしていい人間になろうとするなんて逃げ得ではないかと思ってしまいました。でもパワハラしてる人って自分はパワハラしてるとは思ってないですし、何なら正しい事をしていると思っています。話としては記憶を無くすしかないんですよね。そうでないとパワハラ正当化して何ならそのまま出世してしまうのが現実ですから。

 昨日の本屋に行き、交流分析のすすめ(参照)を買うかどうか迷っていました。Amazonだとほぼ半額で売っているのですが、送料を加えるとそれほど変わりません。迷っているとすぐ上に図説・標準 哲学史という本(参照)がありました。こちらはちょっと難しめな感じでしたが、色々詳しいのでこちらも買いたいものリストに入れておきました。同じ筆者の新書(参照)もありましたが、こちらは現在必要な内容ではないのでやめときました。ちょっと遠い本屋さんだったのですが歩いて帰りました。途中の文具屋さんで以前無くしたスタイラス付きボールペン(参照)の代替品(参照)を買いました。

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2021年2月19日(金)[雑記]

 福岡市にある1932(昭和7)年10月設立の東福製粉がニップンに吸収合併されるそうです(参照参照)。東福製粉は2016年に日本製粉(現ニップン)の完全子会社になっていた(参照)そうです。東福製粉は1941(昭和16年)年4月に鹿児島工場を鹿児島市上荒田町729番地に開設し、1971(昭和46)年11月に本社工場に統合した後に跡地でボウリング場の鹿児島トーフクボウルをオープン。学生時代には寮の仲間とよく行っていました。そのトーフクボウルも2005年9月に営業を止めた(参照参照)そうですが、今度は会社自体も無くなるのですね。ちなみにビル管理の東福互光は関連会社らしいです(参照)。

 今日は非番でしたが山手の事業所で少し事務処理をし、郊外住宅地の事業所に日用品を搬入し、都心部に近い事業所近くで張り込みをしました。張り込み中に老夫婦が小学校低学年位の男児を連れて歩いていました。祖父らしき男性が、男児の腕と首をしっかり保持しています。行動障害でもあるのかと思わせる感じです。何かあったようで祖母らしき女性に代わりましたが、普通に手を繋いで歩いていました。なんなんなんなん???

 数年ぶりに行動障害の方と暮らして2年ほど経ちますが、よく言われる手法だと限界があるのではないかと感じます。もっと根本的に解決するには、僕らの考え方を変えないといけないのではないかと考えています。何となく交流分析(Transactional Analysis, TA)がヒントにならないかと思っているのですが、張り込み後に行った本屋に交流分析のすすめ(参照)という本が置いていました。ちょっと物足りないかなとも思いましたが分かりやすそうな本だったので心の中の買いたいものリストに加えて置きました。今日の張り込みは珍しく収穫が多かったです。

 佐賀県三養基郡上峰町のイオン上峰ショッピングセンターが2019年に閉店していた(参照参照)そうで、イオン九州から土地建物の無償譲渡を受けた上峰町は土地建物を提供して出資者となり民間事業者と再開発をするそうです。LABV(Local Asset Backed Vehicles)という方式だそうで、「行政が開発に関与することで、町の方針や住民の声が反映されやすくなるという(参照)」事です。閉鎖と言えばパピオアイスアリーナですが、ここは「アリーナは1991年、同市・天神地区の再開発事業の一環で閉鎖した『福岡スポーツセンター』のスケート場を引き継ぐ形でオープンした。アリーナを含む複合商業施設は当初、地域貢献事業の一環で西部ガスや西日本鉄道など地場企業10社、福岡市、福岡大学が出資して建設した(参照)」のだそうです。確か西部ガスの工場跡地の再開発だったと記憶していますが、共同出資だったんですね。当時はバブルでしたから余裕あったという事なのでしょうか。

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2021年2月18日(木)[福祉・介護職員等特定処遇改善加算(3)~職場環境等要件・見える化要件編]

 福祉・介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)の4要件のうち、残りは職場環境等要件と見える化要件です。まず職場環境等要件。これは、「2008(平成20)年10 月から届出の前月までに実施した処遇改善(賃金改善を除く)の内容をすべての職員に周知していること」と、「『資質の向上』『職場環境・処遇の改善』『その他』の区分ごとにそれぞれ1つ以上の取組を行っていること」が要件です(参照参照)。うちの職場がやけにサービス管理責任者を取らせてくれるのですが、どうもこの資質の向上の区分に例示されているようです。

 最後の「見える化要件」は2020(令和2)年度からのもので、「特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していること」が要件で、具体的には、「障害福祉サービス等情報公表制度を活用し、特定加算の取得状況を報告し、賃金以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を記載すること」「当該制度における報告の対象となっていない場合等には、各事業者のホームページを活用する等、外部から見える形で公表すること」だそうです(参照参照)だそうです。まあそうしないと求職者も困りますよね。

 ちなみに特定加算には2種類あり、配置等要件、現行加算要件、職場環境等要件、見える化要件の全ての要件を満たしている「特定加算(Ⅰ)」と、現行加算要件、職場環境等要件、見える化要件の全ての要件を満たしている「特定加算(Ⅱ)」があるようです(参照参照)。

 「クラブハウスの大きな学びの一つは、参入障壁を低くしすぎると、面白くない人も、大量にコンテンツ発信側に回ってしまい、そういう人はコンテンツ磨くより露出テクを磨く方に走ってしまう。結果、急速に中央値が下がる。こういうのをどう解決するのか…は結構興味深い課題(参照)」というツイートを見かけました。Androidユーザなのでわかりませんが、これはclubhouseだけの問題ではないと思います。コンテンツの魅力を高めるよりいかにGoogleにアピールするかってのはブログの時代から言われていましたし、それでまともなサイトを見つけるのが難しくなっているのが現在のインターネットです。それ以前でも、YahooやNTTディレクトリの登録を競いあった時代もありました。結局これは、ネットの現状を表しているだけのような気がします。あと、中学のいじめを描いた「大好きな合唱コンクールのはなしかいた(参照)」というツイートも読みました。これが恐ろしいのは大人の世界でもありうるということです。周囲から軽く見られているために、業績をあげても認められない人を何人も見ました。自分が持っている偏見を自覚して生きていきたいと思います。あと、「(小学校で区からiPadが配られたのだが、授業で『まだローマ字は習っていないから、全員かな入力』と言われたのだという。うちではパソコンでローマ字入力しているというのに。習っていない漢字は使ってはダメ的に、ローマ字入力は禁止って、そんな『GIGAスクール構想』っていったい何なの。)(参照)」というツイートも見ました。全員にかな入力をさせるのは確かにおかしいですが、タブレットって元々かな入力(フリック入力)なのでは?他の子にもローマ字を教えろというリツイートも散見しますが、ローマ字を覚えるのはそれなりに時間がかかります。転校する子がいることも考えると、全国的にやらないと色々不都合が起こると思います。

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2021年2月17日(水)[福祉・介護職員等特定処遇改善加算(2)~現行加算要件編]

 昨日の続きですが、福祉・介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)の二つ目の要件が現行加算要件と呼ばれているものです。これは、従来の福祉・介護職員処遇改善加算(従来加算)の(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを取得しているというものです(参照)。特定加算と同時に現行加算の処遇改善計画書の届出を行って算定される場合でもいいそうです(参照)。それでは、この従来加算とはどのようなものなのでしょうか。

 これは直接処遇職員の待遇改善をする観点から生活支援員、児童指導員、保育士、障がい福祉サービス経験者、世話人、職業指導員、就労支援員などの直接処遇に携わる職種が対象になっています。サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、管理者等は除外されます。法人代表者も除外です。ただ、直接処遇に関わっていてその分の報酬を受けている場合はその部分に加算しても良いそうです。この加算にはキャリアパス要件と職場環境等要件の2要件があります。

 キャリアパス要件には、「①職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること」、「②資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること」、「③経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」の3つを規定して就業規則等書面で整備してすべての職員に周知させないといけないそうです。職場環境等要件では、職場環境の改善等の賃?改善以外の処遇改善を最低一つ実施するのが要件になるそうです。具体的にはまず、研修受講や受講支援等の「資質の向上」。次に、新人介護職員早期離職防止制度導入、雇用管理改善対策の充実、ICT活用等による業務省力化、介護機器等導入、育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備、勤務環境やケア内容の改善、事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化、健康診断、分煙スペース等の整備等の「職場環境・職場の改善」。最後に情報公表制度の活用による経営・人材育成理念の見える化、中途採用者人事制度の確立、障がい者用の職場環境構築や勤務シフト配慮、モチベーション向上、非正規職員から正規職員への転換、職員増員の業務負担の軽減等の「その他」があるようです(参照参照参照)。

 よく考えたら昨日は、「A経験・技能のある障害福祉人材」だけ調べていました。「B他の障害福祉人材」と「Cその他の職種」についても調べる事にします。まず、「B他の障害福祉人材」は「A経験・技能のある障害福祉人材」に分類されない福祉・介護職員、心理指導担当職員(公認心理士含む)、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、サービス提供責任者が対象です。ただ、「Cその他の職種」に分類される職員でも、 職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了者、障がい者の芸術文化活動を指導する職員、障がい者のスポーツ活動を指導する職員、工賃・賃金の向上に寄与する職員、障害者ITサポーター等で「個別の障害福祉サービス等の類型ごとに必要となる専門的な技能によりサービスの質の向上に寄与している職員」は「B他の障害福祉人材」に分類できるそうです。ただし、賃金改善前の賃金がすでに年額440万円を上回る者の分類は変更できないそうです。そして、「Cその他の職種」は看護職員、栄養士、事務職員等の障害福祉人材以外の職員です。 こちらも賃金改善前の賃金がすでに年額440万円を上回る者は加算対象外です(参照)。

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2021年2月16日(火)[福祉・介護職員等特定処遇改善加算(1)~配置等要件編]

 先日、グループホームの報酬は介護等給付ではなく訓練等給付なので、みんなビシビシ訓練しろ!と言われました。グループホームは教育や訓練の場ではなく生活の場だってのはずっと言われてきた事ですし、それだと宿泊型自立訓練と区別がつきません。そもそも知的障害者のグループホーム制度は1989年に制度化された知的障害者地域生活援助事業(知的障害者福祉法)が始まりだそうで、2006(平成18)年4月に共同生活援助(グループホーム・訓練等給付)と共同生活介護(ケアホーム・介護等給付)の二本立てになりました(障害者自立支援法)。その二つが統合されて共同生活援助(グループホーム・訓練等給付)になったのは2014(平成26)年4月1日。その際に介護サービス包括型と外部サービス利用型になりましたが、前者はケアホームの後継のような位置付けです(その後、日中サービス支援型が2018(平成30)年4月に創設)。心の安定無くして成長はありません。ですが、知的障害者福祉法 第一条の二には、「すべての知的障害者は、その有する能力を活用することにより、進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない。」と書かれています。せめて参加できるようになるまでは待ちましょうよ。

 目まぐるしく変わる障害者福祉ですが、2019(令和元)年10月から「福祉・介護職員等特定処遇改善加算(以下特定加算)」なるものがスタートしたそうです。これは、①配置等要件、②現行加算要件、③職場環境等要件、④見える化要件の4要件を充たした場合に加算されるものです。賃金改善が目的なので、特定加算を得た場合の賃金水準と得てない場合の賃金水準との差が特定加算の報酬額以上である必要があるそうです。基本給か手当か賞与の中から特定して改善するそうですが、基本給で行うのが望ましいとされています(参照)。具体的にどういう人の給料が増えるかというと、法人で定義して職員を「A経験・技能のある障害福祉人材」、「B他の障害福祉人材」、「Cその他の職種」の3つに分けて、「Aのみ」または「AとBのみ」または「A、B、Cすべて」のいずれかのパターンで配分するのですが、Aの一人あたりの配分は他の一人あたりより2倍以上配分するというルールだそうです。

 それではまず、①配置等要件について見てみます。これは、福祉専門職員配置等加算(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の場合は特定事業所加算。重度障害者等包括支援、施設入所支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援は該当する加算がないため例外)を算定している事が要件です(参照参照)。福祉専門職員配置等加算というのは3つあり、「生活支援員等として常勤で配置されている従業者のうち社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師である従業者の割合が35%以上ある場合に1日15単位加算する(福祉専門職員配置等加算(Ⅰ))」ものと「生活支援員等として常勤で配置されている従業者のうち社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師である従業者の割合が25%以上ある場合に1日10単位加算する(福祉専門職員配置等加算(Ⅱ))」ものと(参照)「『生活支援員等として配置されている従業員の常勤換算に占める常勤者の数が75%以上』かつ『生活支援員等として常勤で配置されている従業員のうち、勤続年数が3年以上の従業員が30%以上』な場合に1日4単位加算する(福祉専門職員配置等加算(Ⅲ))」ものがあります(参照)。僕が公認心理師を取ったのは、この加算の存在もあります。

 ただし、公認心理師が即「A経験・技能のある障害福祉人材」になるのかは微妙です。この要件は、資格として「福祉・介護職員(ホームヘルパー、生活支援員、児童指導員、指導員、保育士、障害福祉サービス経験者、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、訪問支援員)のうち介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士又は保育士のいずれかの資格を保有する者」または職種として「心理指導担当職員(公認心理師含む)」、「サービス管理責任者」、「児童発達支援管理責任者」、「サービス提供責任者」で10年以上の経験がある人らしいです(参照参照)。この「心理指導担当職員」というのは「心理指導担当職員配置加算」の対象者と思われ、障害児施設の職種のようです(参照)。「公認心理師含む」なので公認心理師を持っていればいいという読み方もできますが、それなら福祉・介護職員の方に入れるでしょう。淡い期待はしない方が良さそうです。ちなみに「B他の障害福祉人材」であっても「強度行動障害支援者養成研修修了者」、「手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員、要約筆記者」、「点字技能士、点字指導員、点字通訳者」、「盲ろう者向け通訳・介助員養成研修修了者」、「失語症者向け意思疎通支援者養成研修修了者」、「サービス管理責任者研修修了者」、「児童発達支援管理責任者研修修了者」、「サービス適用責任者研修修了者」、「たんの吸引等の実施のための研修修了者」、「職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了者」等で10年以上経験がある人はAに分類してもいいそうです(参照参照)。こっちは文句なく引っ掛かります。法人が僕に沢山給料を与えようと思ったら、そっちで分類してくれるでしょう。わははははは・・・。

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2021年2月15日(月)[嫌いな人がいる]

 レジに並ぶと、前にいる女性がクーポン券を沢山出してきました。先程奉仕品の棚の前にじっと立って商品を吟味している人です。これは長くなるなと思ったら、他にも色々あって予想以上に長かったです。いやこの人嫌いやわ。と思いましたが、嫌いな人って興味深いです。

 僕たちはどんな人を苦手としたり嫌いだと思ったりするのでしょう。仕組みは色々あるのでしょうが、よくある説明が否定したい(抑圧している)自分自身の嫌な部分が嫌な人の嫌な部分だという説明です。これは、フロイト(Sigmund Freud,1856.5.6-1939.9.23)の研究をもとにアンナ・フロイト(Anna Freud,1895.12.3- 1982.10.9)が整理した防衛機制(defence mechanism)(参照)の一つである投影(Psychological projection)による説明だと思います。投影とは「自己のとある衝動や資質を認めたくないとき(否認)、自分自身を守るためそれを認める代わりに、他の人間にその悪い面を押し付けてしまう(帰属させる)ような心の働き」です(参照)。ああー。職場の苦手な人はこんな感じです。

 別の説明としてよく出るのが、ユング(Carl Gustav Jung,1875.7.26-1961.6.6)の言う影(シャドウ・Schatten)です。これは、「自分自身について認めがたい部分、その人の人生において生きてこられなかった側面」の事で、現実にいる同性の他者に投影された時に特にはっきりとするそうです(参照)。ユングによるとそういった部分を否定するのではなく受容する事で自己実現へ繋がっていくのだそうです(参照参照)。マジか受容せないかんのか。

 他にもフロイトの言う転移(transference)を持ち出して説明している人もいました。転移は両親等の重要な他者との間で過去に生じた欲求、感情、葛藤、対人関係パターン等を他の人に対して向ける非現実的な態度の事らしいのですが、主にクライアントと治療者との関係で持ち出されます(参照)。愛着欲求や依存欲求が向けられることを陽性転移、敵意や攻撃欲求が向けられることを陰性転移と呼ぶ(参照)そうですが、本来は両価傾向(ambivalent)と言って陽性と陰性の両転移が共に見られるもので、状況の変化によって変容しやすく輻輳したものなのだそうです(参照)。まあ、一度この人嫌いと思うと、評価が歪められたり(ハロー効果(halo effect ))嫌いなところばかり目についたり(確証バイアス(confirmation bias))するものですから、あああれは自分なんだなと思う方が建設的なのかもしれません。

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2021年2月14日(日)[雑記]

 先日、相手の動きを予測し危険を回避する!(参照)というビデオを見ました。タクシー会社(参照)の教育担当者と舞の海秀平(参照)さん(1968.2.17-)とか出演していましたが、ずっと青汁薦められそうな思いがしました(参照)。知人が自分の政治傾向などを分析する4軸テスト(参照)を薦めていましたが、これは日本で標準化されていない感じでした。選択肢も奇数(5件法)なので日本人だと「どちらでもない」を選びそうです。現に自分もそんな感じでこんな結果(参照)になりましたが、試しに両端だけで答えるとこんな結果(参照)になりました。ビデオを見た場所で一般財団法人全日本交通安全協会発行の交通安全自己診断なるものをやりました。これはちゃんと2件法で自己診断もしやすい形に工夫され記名欄がないのもよく考えられていると思います。標準化されているのかは知りませんが。

 先日、Van HalenのJumpのミュージックビデオ等へのリンク(参照)を張りました。YouTubeはJASRACと契約しているのでやいのやいの言われないそうですが、Twitterがどうなのか不明なので調べました。Twitterは契約していないので掲載はできないそうですが、リンクはOKらしいです(参照)。んじゃあ、リンクならfc2でもいいのか。

 さてArrows Tab Q506MEがいきなり「マルチボリュームセットの最後のディスクを挿入して下さい。」と言い出しました。調べてみると「._」で始まる隠しファイルを削除するだけで良いとの事でした(参照)。やってみましたが、しばらくすると復活します。そこで変なzipファイルを削除してみました(参照)。それ以降は出ないようです。

 1月13日の佐賀県新型コロナウイルス対策本部会議で佐賀県知事が「(最近の感染事例は)ほとんど福岡由来」と発言したそうで、福岡市の市民団体(参照)等が発言の撤回を求める申し入れをしたそうです(参照)。福岡市との往来を減らすというのは当たり前の対策だと思いますし、発言自体もそういう趣旨だと考えていたので意外でした。

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2021年2月13日(土)[公認心理師試験受験者数・合格率推移]

 昨日は第三回公認心理師国家試験(参照参照参照)の合否発表(参照)がありました。とりあえずは今までの合格率と受験者の推移をまとめてみました(参照参照参照参照)。

 第1回第2回第3回
9/912/16
受験者数(人)35,0201,08316,94913,629
合格者数(人)27,8766987,8647,282
合格率(%)79.664.546.453.4
C受験者数(人)未発表0未発表9
合格者数(人)4049
割合(%)0.00.10.1
合格率(%)100.066.7100.0
D1受験者数(人)未発表未発表未発表1,440
合格者数(人)14,5133271,879798
割合(%)52.146.823.911.0
合格率(%)86.270.353.655.4
D2受験者数(人)未発表未発表未発表838
合格者数(人)1,176231,253516
割合(%)4.23.315.97.1
合格率(%)74.769.758.861.6
E受験者数(人)936
合格者数(人)758
割合(%)10.4
合格率(%)81.0
G受験者数(人)未発表未発表未発表10,406
合格者数(人)12,1833484,7285,201
割合(%)43.749.960.171.4
合格率(%)73.459.541.850.0

 さて先日、同僚から「この前取った資格って何ですか?」と聞かれました。「 公認心理師です。」と答えましたが、同僚はピンとこない様子。「公認?認定?社会福祉主事的な?」と聞かれました。あれだけお金と時間を掛けて任用資格だったら泣きます。「名称独占の心理の国家資格です。」と説明しましたが、これで分かるのか?「社会福祉士に近いんですかね。」と付け加えましたが、これでは自慢っぽいなと「いや。大学時代心理専攻だったんで。」と言い添えました。「あー。昔勉強したので取れるんで取ったんですね。」と言いつつ同僚は去っていきました。公認心理師ってやはり知られていないんだなと思いました。同時に、僕のような「無能」が取ったことで資格自体も軽く思われるかもしれないと危惧しました。全国4万人(当社推計)の合格者の皆さん。すみません。これから頑張るしかないですね。それにしても、北川景子さん(1986.8.22-)が映画(参照)でやるやつと言えば良かったです。原作では臨床心理士だったようですが(参照)。

 その公認心理師試験。僕は第1回79.6%、第1回北海道64.5%(-15.1)、第2回46.4%(-18.1)と合格率が下がった事から過去問中心の試験勉強は効果ないのではないかと主張していました。ですが今回、53.4%(+7.0)に上昇したのでその仮説は覆されました。ちなみにD1が86.2%、70.3%(-15.9)、53.6%(-16.7)、55.4%(+1.8)と推移したのに対し、Gは73.4%、59.5%(-13.9)、41.8%(-17.7)、50.0%(+8.2)と今回の上昇幅にかなり差があります。つまり心理学の知識よりも試験対策の重要性が増した可能性が否定できません。今回に関しては過去問中心の試験対策的な学習が功を奏した可能性が高いのではないかと思っています。G合格者の割合が43.7%、49.9%、60.1%、71.4%と上昇していることから、次回も同じ傾向であれば更に合格率は上がるのでしょう。ただ、過去問やるのは大変です。問題は4~5択の154問で選択肢は616個以上。4回分で2464個以上です。過去問を考えるのも結局心理学の知識が必要で、過去問が大切だと言う人も心理学に関する本を推奨していたりします。Eの合格率が81.0%とかなり高かった事から、心理学の勉強をするのが一番可能性が高いとは思います。どういう方法が自分に合っているのか見極める必要はあるのかもしれません。

 昨日コンビニに行ったら、Van HalenのJump(参照)がバイオリンバージョンで流れていました。元々カッコいい楽曲ですが、バイオリンもカッコよかったです。検索すると色々出てきましたが、これ(参照)はこれで綺麗な音楽と景色です。これ(参照)はなかなかシュールでした。イメージ的にはこれ(参照)が近かったです。と聞きながら職場の仮眠スペースでここは今から倫理です。ドラマを待っていると、23時8分に福島県浜通りを震源にした地震がありました。マグニチュードは7.1。最大震度は震度6強(参照)。放送は休止され、臨時ニュースになっていました。流石NHK。

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2021年2月12日(金)[雑記]

 今日は第三回公認心理師国家試験(参照参照参照)の合否発表(参照)。とりあえず合格率(参照)や内訳(参照)等を見てから対策(何の?)を考えようと思います。余裕があれば問題(午前午後)も解こう(解答)と思います。

 で、本当にフェアトレードチョコレート(参照)を買ってみました。50gで350(税込378)円という事で一般的なチョコレートの350%くらいのお値段です。つまり僕らは板チョコ1枚につき250円くらい搾取していたのかという話になりますが、事はそれほど単純ではありません。このチョコレートは植物性油脂で代用せずココアバターを「たっぷり」使用している(参照)そうです。この手の社会的な商品は付加価値を沢山付ける傾向があるので、それで価格が上がる可能性があるのです。流通も限られているので安売り店で見掛けることはないのもそうでしょう。貧乏人は海外の貧乏人と連携できないという皮肉です。

 今回買ったチョコレートは乳化剤(Emulsifier)不使用。乳化剤というのは界面活性剤(surface active agent, surfactant)の一種らしく、「油と水のように互いに混合しない2種の液体を,安定したエマルジョン (乳濁液) にさせる第三の物質(参照)」なのだそうです。チョコレートに使う目的は、「チョコレートの粘度低下による作業性の向上、ファットブルームや脂肪分のしみ出し防止、保型性・耐水性の向上(参照)」なのだそうで、「乳化剤を加えずになめらかに仕上げるのは至難の技(参照)」とメーカも主張しています。乳化剤を使わない事でコストが上がる可能性があります。尤もガーナチョコレートは使用しているのに対して、同価格帯で売られている明治チョコレートは不使用なのでそこまで高くはならないのかもしれません。

 自動車運転免許を更新してきました。せっかくのマスク生活なので髭を伸ばして行ってみました。帰りに290円ラーメン(元六分儀)に行くと400円に値上がりしていました。あまりの事にビビりましたが、食べてきました。それはそうと僕らが組織委員会と呼んでるものの正式名称は公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会らしいです(参照)。公益財団法人ならば代表者である理事長(会長)は理事の互選で選ぶ筈ですが、なぜか辞める会長が後任に理事でもない人を指名したという話題も出てます。どうするんだろ。とみんなで言ってると秋元康さん(1958.5.2-)とかが会長になってしまったりするんですかね。女性でアスリートというのが一番取り繕えるとは思いますからヨーコ・ゼッターランドさん(Yoko Karin Zetterlund,堀江陽子,1969.3.24-)辺りにして欲しいんですが(参照)。あと、NHKアナウンサーの武田真一さん(1967.9.15-)が大阪に異動してお昼の番組をやるそうです(参照)。武田さんを最初に見たのが正午のニュースだったので、なんとなく懐かしい感じがします。

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2021年2月11日(木)[福間駅東土地区画整理事業(3)]

 2008(平成20)年3月31日に福間浄化センターができる1年前、2007(平成19)年5月に福間駅東土地区画整理事業の造成工事が着工されました。この事業は2003(平成15)年5月に都市計画決定が告示されて、2004(平成16)年7月に事業計画が認可されています。そして2005(平成17)年2月に土地区画整理審議会が発足して2年後に着工したというわけです(参照)。その後2010(平成22)年12月に四角両谷線が供用開始し、2011(平成23)年9月にまちびらき。2012(平成24)年4月にイオンモール福津が開業しています(参照)。

 福間駅東土地区画整理事業の総面積は107.5ha(参照)。そのうちで教育施設には2.8haが充てられています(参照)。小学校設置基準によると721人以上の児童がいる小学校の校庭は7200平方m(0.72ha)以上(参照)。余裕でないかいと思いますが、これは以前からある福間南小学校の面積がそのまま載っているようです。ちなみにイオンモール香椎浜が6.7357ha(参照)で、イオンモール福津の総面積が14ha(参照)なのでそのうち3haくらい最初から確保していれば良かったのではと素人は考えてしまいます。この地区の計画戸数は2,180戸で計画人口は6,500人(参照参照)だそうなので、1世帯あたり2.98人いる目論見だったようです。ざっくり3人に1人子どもがいる計画だったとして2180人ほどの子どもがいると考えていたのでしょう。半数が小学生だと1090人もいて25%と仮定しても545人いるわけです。いや最初から学校を作ることにしようよ。まあそうなると10年ほどたつとゴースト学校になってしまうわけで、計画上は「計画的に住宅地等の形成を図る計画建設用地を配置(参照)」したようなのですが、その割には爆発的に子どもが増えたようです。

 他にも、地権者の賛同が得られなかったため減歩率45%を38%に引き下げたという話もあるようです。都市再生機構が20億円の赤字を背負う事になった(参照)そうで、公共用地を確保しにくい事情もあったのかもしれません。そんな中でも「自然環境の保全等を目的とした環境保全施設用地を配置(参照)」したのが件の緑地のようです。

 「メンタルが弱った時には肉を食え」というツイート(参照)にいたく感銘を受け、ソテー用の豚肉を買ってきて夜勤明けに食べました。こんなに大きなお肉を食べるのは久しぶりです。食べ終えて満ち足りた気分になっていると、NHKスペシャルで2030 未来への分岐点 (2)「飽食の悪夢?水・食料クライシス」というのをやっていました。いや、肉食が環境負荷高いのは知ってるんですよ。トウモロコシそのまま食えばいいのにわざわざ牛や豚に食わせて肉を食べるなんて贅沢極まりないですよね。番組では日本で廃棄している食料品の量が国連の食糧援助を上回ると紹介されていましたが、飢餓で苦しむ人数より肥満で悩む人の方が多い(しかもどちらも貧困層である可能性が高い)のも歪んでいます。番組ではプラネタリーダイエットというものが紹介され、食事は野菜を半分にして肉は8割削減。タンパク質はナッツ類で補うというメニューが紹介されていました。大豆やココナッツミルクから作る人口肉(遺伝子工学の力で培養するやつではない)なんてのも紹介されていました。野菜は高いので満足感のある豆腐の食べ方でも研究しましょうか。とりあえずフェアトレードチョコレート(参照)でも買ってみようと思います。そもそも農地を潰して住宅地にした方が儲かるという状況も憂うべきなのでしょうね。

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2021年2月10日(水)[福間駅東土地区画整理事業(2)]

 福間駅東土地区画整理事業の国道を挟んだ向かいには、福間浄化センターがあります(参照)。宮地岳線が部分廃止された2007(平成19)年4月1日の前1年間、僕は福津市に通い詰めていましたが、当時は福津市の西郷川河口に下水処理場建設反対の看板があったと思います。ですが資料を見ると、福津市(福間処理区)の下水道供用開始は1968(昭和43)年6月1日。古賀市(古賀処理区)の供用開始が1978(昭和53)年5月1日ですからおよそ10年早かったことになります。しかし古賀水再生センター(下水終末処理場)の供用開始が1978(昭和53)年5月1日なのに福間浄化センターの供用開始は2008(平成20)年3月31日らしいです(参照)。福津市は1997(平成9)年に公共下水道事業に着手して2002(平成14)年3月に津屋崎浄化センター(福津市発足は2005(平成17)年1月24日なので正確には津屋崎町の事業だったのでしょうが)、2008(平成20)年3月に福間浄化センターが完成したと書いています(参照)。汚水は40年間どこに行っていたのでしょうか?

 調べてみると、地域し尿処理施設(コミニティプラント・コミュニティプラント)というものがあったのが分かりました。福津市には1972(昭和47)年3月供用開始の若木台下水処理場(福津市若木台1丁目1248-6)、1973(昭和48)年4月供用開始の北原下水処理場(福津市西福間4丁目3-2)、1980(昭和55)年3月供用開始の光陽台下水処理場(福津市光陽台1丁目9-7)の3つです(参照)。1968(昭和43)年から1972(昭和47)年の間はどうなっていたのか不明ですが、似たような別のものがあったのでしょうか?これらは下水道の普及によって2014(平成26)に廃止になった(参照)そうです。

 福津市発足は2005(平成17)年1月24日ですが、前年2004(平成16)年1月13日に行われた第10回福間町・津屋崎町合併協議会(参照)では津屋崎町側の質問に対して福間町側が、福間町公共下水道事業は2007(平成19)年度の供用開始を予定している事や、当時東部処理区(東福間)は東部下水処理場で処理していて福間処理区(有弥の里)は古賀市に委託している事や、現在の処理場やコミュニティプラントを最終的には浄化センターに繋げる事が語られています(参照)。

 そんなこんなで2008(平成20)年3月31日に福間浄化センターができました。場所は福間駅東土地区画整理事業の山側。従来の市街地はその海側にあります。知人が下水管工事をやっていますが、下水管工事が一番高さを気にしないといけないのだそうです。上水道は水圧がかかっていますし、電線や電話線やガス管は高さを気にする必要がありません。下水処理場はなるべく標高が低い方がいいのでしょうが、福間浄化センターは結構高い場所にあります。

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2021年2月9日(火)[福間駅東土地区画整理事業(1)]

 7日(日)に福津市長選挙(参照)の投開票が行われ、無所属現職の原崎智仁さん(50)が、元市下水道課長で無所属新人の小田幸暢さん(58)と元市総務部長で無所属新人(自公推薦)の永島和昭さん(64)を破って再選を果たしました(参照)。ちなみに小田幸暢さんと原崎智仁さんは福間出身(参照)。永島和昭さんは津屋崎出身(参照)。以前に比べて福間だとか津屋崎だとかは言われなくなったような気がします。市としてのまとまりができてきたということなんでしょうか。

 この選挙については福間小学校、福間南小学校、福間中学校の児童、生徒数増加による学校新設問題が争点になっていました。小田幸暢さんは独自の適地案を検討するとしていて、原崎智仁さんは手光地区への小学校建設案を推しているようで、永島和昭さんは竹尾緑地(イオンモール福津隣接の市有地)への中学校建設案(市教育委員会案)を推しているようです(参照)。元々は市教委は2019年度に竹尾緑地か市中心部に近い手光地区のどちらかに中学校を新設する2案を検討していたそうです。結局、2024年度の開校を目指し事業費約54億円で竹尾緑地に中学校を新設する案を2019年12月16日の定例庁議で原崎市長も出席し決定したとの事です。小学校区の再編を伴わないのが理由だったようです(参照)。これはどうも福間南小を5年制にして新設の中学校を4年制にした施設併用型5・4制小中一貫校案のようです(参照)。ちなみに福間小と福間中も同じ関係になるため(参照)、児童、生徒数は3校共改善されるはずです。2020年1月には各小中学校PTAを対象に計6回の説明会を開催したようです(参照)。

 竹尾緑地案が出されると、環境保護団体から反対運動が起きたのだそうで、2020年2月3日の庁議で原崎市長が竹尾緑地案を一時凍結して手光案を再検討するように指示したそうです。ところが開校の遅れを懸念した教育長と4名の教育委員は、2020年6月定例市議会の補正予算案に中学校建設予算を計上する申出書を連名で提出。市長側は建設予算を計上せずに「小中学校大規模解消にかかわる市民意向調査費」20万円を計上したそうです。2020年6月定例市議会の一般質問でもこの問題は取り上げられましたが解決はしなかったようです(参照)。これに関しては百条委員会が開かれるなど(参照参照)その後も対立しているようです。当選した現職は、手光にある市中央公民館隣接地にあるわかたけ広場の土地建物を利用した小学校新設案のようなので(参照)そのようになっていくのでしょうか。

 しかしそもそもこの児童・生徒数増加は福間都市計画事業福間駅東土地区画整理事業(参照)のためだと思われます。こういう開発ではどの位人口が増えるのかは予想できるはずで、計画的に学校を整備するものではないでしょうか。どうしてこのようなことになったのか、選挙も終わった事ですし調べてみたいと思います。

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2021年2月8日(月)[カームダウンも必要]

 ルッキズム(Lookism)というのが話題になっていました。「美男子 ・ 美人 (≒ 美少女 )を持ち上げ、逆に 身体的に魅力的でないと考えられる人々を差別的に扱うことを指す。身体的魅力は良いものと関連づけられ、他方、身体的に魅力がないことは悪いものと結びつけられる(参照)」事だそうです。NHKがネットのコンプレックス広告を取り上げたニュース(参照)の中で紹介されていましたが、ネットだけではなくコンプレックス広告は既存メディアでも多いです。以前、そういうコンプレックス広告に物申すサイトを運営していましたが、内容証明が来たり弁護士から電話が来たりプロバイダから警告来たりと大変でした。有名人ならネタに出来ます(参照)が、普通の個人には太刀打ちできません。日本で広告に文句言えるメディアは暮らしの手帖とNHKだけかもしれないので既存メディアの広告にも切り込んで欲しかったです。

 今日は忙しいので、パトカーはなぜ救急車よりも速いのかとか高齢者はなぜ自分が譲られる存在だと思うのかとか最近の疑問をただ書いていこうと思ってたのですが、見過ごせないニュースが入ってきました。福岡市内の特別支援学校の廊下に生徒を入れる小部屋を段ボールで作っていたそうです。そこに入れられたのは人権侵害であると中学部に通っていた注意欠陥・多動性障害(Attention-deficit hyperactivity disorder:ADHD)をもつ男子生徒の母親が、8日に福岡県弁護士会に人権救済を申し立てたという報道でした。男子生徒はその後不登校になり市外に転校したとの事でした(参照参照参照参照)。

 男子生徒は2019年夏にその学校に転入したそうですが、しばらくして家族にそういう小部屋があると訴えたのだそうです。「生徒が教室で暴れることがあり、小部屋を設けた」と当時学校側は説明したと母親側は主張しているようです。一方で市教育委員会は「小部屋は気持ちを落ち着かせる場所だが、この生徒専用ではない。この生徒が小部屋を使ったこともなかった」と朝日新聞に説明しているようです(参照)。

 しかしこれはカームダウン(calm down:静まる)エリアだと思われます。発達障害の方等によく使われている支援で、心が落ち着く場所を作り心が落ち着かなくなったらそこでしばらく過ごして心を落ち着けるというものです。男子生徒が嫌がっていた以上、その場所では心が落ち着かないのでしょう。場所の設定やご本人への提示が失敗した可能性はありますが、こういった方法を一律に人権侵害とされてしまうと、適切な支援が受けられない新たな人権侵害が発生しそうな気がします。こういう支援がある事を前提にして何が問題なのかを考える必要があります。また、双方の話が食い違っているので、誤解等はあったのでしょう。そういった意味で違和感のある報道でした。調査には是非支援の実務経験者を加えて頂きたいと思いますし、報道する際にも意見を聞いて欲しかったと思います。

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2021年2月7日(日)[アイヒマン裁判と心理学]

 昨夜は先週先々週先々々週に続けてNHKでここは今から倫理です。ドラマを見ました。今回は「自律」の話のようでした。公式Twitterではドイツの哲学者カント(Immanuel Kant,1724.4.22-1804.2.12)の「人間は気ままに生きると争う悪になる」という言葉が紹介されています。番組中ではドイツ出身のユダヤ人哲学者で「1人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない(参照)」という言葉を残したとされるナチス親衛隊国家保安本部第IV局B部4課課長アイヒマン(Adolf Otto Eichmann,1906.3.19-1962.6.1)の裁判を傍聴した報告(参照)で知られるハンナ・アーレント(Hannah Arendt,1906.10.14-1975.12.4)の「悪は陳腐である(悪の陳腐さ(Banality of Evil))」「悪は凡庸である」というのも出ていました。アーレント自身も剽窃疑惑があるそうで(参照)、確かに悪は凡庸なのかもしれません。番組後には主演の山田裕貴さんが「『これって本当に悪い?』と思うことありますか?」と問いかけています。

 アーレントが言う「陳腐」だの「凡庸」だの言う意味は、「ありふれている」という事のようです。アイヒマンは「ごく普通の小心者で取るに足らない役人」であるとアーレントは捉えていて、愚かさではなく無思想性(なにも考えてなかった事)によって「あの時代の最大の犯罪者の一人」になったと考えたようです。ただしそれらの印象はアイヒマン本人の印象操作もあるのではないかとする説もあるようです(参照)。

 心理学でもこれを受けていくつかの実験が行われています。代表的なものが1963年に発表されたミルグラム実験(Milgram experiment)です。アメリカのイェール大学でミルグラム(Stanley Milgram,1933.8.15-1984.12.20)という人がやったもので、別名アイヒマン実験とも呼ばれています。これは記憶に関する1時間の実験だと偽って新聞広告で集められた男性を対象に行われたものです(報酬あり)。被験者は教師役になり生徒役になったサクラに対して用意された問題を出題させられます。生徒役が誤答すると教師役は生徒役にまず45Vの電気ショックを与え、生徒役が誤答を重ねると15Vずつ電圧を上げていくというものです。教師役は予め45Vの電気ショックを体験していて、生徒役にショックを与える機械には電圧と共に注意書きが添えられていました(例えば375Vには“DANGER: SEVERE SHOCK”(危険: 苛烈な衝撃)という感じ)。実際には生徒役に電気ショックは与えられておらずお互いの声だけがインターホンで聞こえる状態。ショックを与えると録音された声(例えば120Vだと大声で苦痛を訴える)が聞こえるようにしていたそうです。被験者が続行を拒否した場合は権威ありげな白衣の人が決められた台詞で4回続行を通告し、それでも拒否した場合は実験終了。そうでなければ最大電圧の450Vが3回流された時点で終了という形式だったそうです。結果として450Vまで上げたのは被験者40人中26人(統計上65%)。135Vで拒否した人もいたものの、結局は全員が300Vまで上げたのだそうです。教師役と生徒役を同室にした場合は40人中16人(統計上40%)、教師役が生徒役に直接触れて電圧を与えた場合は40人中12人(統計上30%)が最大電圧まで上げたとの事でした(参照)。

 もう一つ有名なのは(スタンフォード)監獄実験(Stanford prison experiment)。アメリカの心理学者ジンバルドー(Philip Zimbardo,1933.3.23-)が1971年8月14日から1971年8月20日までスタンフォード大学で行ったものです。こちらも新聞広告で集められた70人の男性から21人を選び、11人の看守役11人と10人の受刑者役に分けて刑務所に近い設備の中で2週間演じさせる予定の実験でした。時間が経つに連れ、看守役は受刑者役に罰則を与えるなどより看守らしく振る舞うようになり、受刑者役もより受刑者らしく振る舞うようになったと主張されています。精神的に錯乱した受刑者役も出て、禁止されていた暴力も出現。あまりにエスカレートしたために、実際の監獄との比較のために呼ばれた牧師や堪りかねた受刑者役が中止を訴えたものの実験は続行され、牧師が受刑者役の家族に連絡して家族と弁護士が実験者と協議して6日間で中止になりました。この実験から、「強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう(権力への服従)」、「しかも、元々の性格とは関係なく、役割を与えられただけでそのような状態に陥ってしまう(非個人化)」というような事が言われています。この実験は映画化されるなど大きな反響を呼びましたが、現在では刑務所長役から看守役に積極的な指示や指導があったことが明らかになって実験結果への信頼性が問われているそうです。しかし実験結果より、「自分自身がその状況に飲まれてしまい、危険な状態であると認識できなかった」というジンバルドーの説明は、心理学を学ぶものにとって示唆に富むと思います(参照)。

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2021年2月6日(土)[鬼木さんが鬼滅]

 自由民主党所属の衆議院議員で福岡2区選出の鬼木誠さん(1972.10.16-)のポスターに鬼滅の刃を模したロゴが使われていたとの事で話題になっています(参照)。少年ジャンプ編集部は、「これらについて一切の関与をしておりません。(参照)」とコメントしているようです。パロディですとかオマージュですとか言うかなと思ったのに「作者の先生、出版社ならびにファンの皆様をご不快にさせているとのご批判を真摯に受け止め、速やかに、貼られているポスターを撤去いたします。誠に申し訳ございませんでした。」と公式サイトに謝罪が出ていて驚きました。そもそも鬼木誠さんなのに鬼滅って不吉だと思わなかったのでしょうか。色々と勇気があるなと思います。それにしてもこういった下らないものがどんどん排除されるとそれはそれですばらしい新世界(参照)になってしまうように思います。いっそのこと本気のコスプレしている写真とかだったら容認されたのでしょうか?

 そこで現地に行って調べてみました。鬼木誠さんの昔の事務所近くで探したのですが、対立候補の稲富修二さん(1970.8.26-)のポスターばかり貼ってあってなかなか見つかりませんでした。これは炎上してでもおもしろポスター作ろうと考えるのも無理ないなと思いました。やっとの事でポスターを見つけましたが、確かに鬼滅の刃っぽいロゴが描かれています。気付きませんでした。

 さて、先日、Clubhouseからハブられている事が判明した僕(Androidユーザ)です(参照)が、それだけでなく去年の9月からCOCOAからもハブられていた事が判明しました(参照)。まあでも僕は、Androidのバージョンが古くて2018年5月28日以降はメルカリにハブられてしまっていた(参照)ので慣れっこです。

 この都度めでたくAndroid8.0.0になったので、ひとつメルカリにログインしてみようかいと試してみるとログインできません。どうやら2019年11月からSMS認証のみになったのです(参照)がその頃使ってなかったので携帯電話番号を登録していないのでSMSを送れないという図式のようです。ところが問い合わせ窓口がありません。どうやらログインしなくてもアプリのマイページから問い合わせができるとの事で、アプリ→マイページ→お問い合わせ→お問い合わせ項目を選ぶ→会員登録・ログインについて→お問い合わせをすると選んでいくとメッセージが送れます。ところがただの問い合わせなのに「初めてお問い合わせされるお客さまは、お手数ですが本人確認書類の画像および、お客さま情報をご提供ください。」と言われてしまいました。「運転免許証または、健康保険証の画像を下部のカメラマークをタップし、添付してください。添付の際は、『保険者番号』および『被保険者等記号・番号』『QRコード』を隠した状態にしてください。※ 原本の表面・裏面の撮影が必須となります。」との事で、免許証の番号を隠して送りました。返信は即日来ましたが、メルカリからのダイレクトメールはよく来るのに、そういうユーザはいないとの事でした。ちなみに免許証番号は隠してはいけないようです。意味が分からないのでダイレクトメールの送信を止めた上で再登録しようと思います。まあ使ったことがないので登録しないかもしれませんが。

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2021年2月5日(金)[話したくても話せない]

 一昨日、二度寝したら夢を見ました。晩夏に亡くなった親類が実家の玄関で頭を掻きながら、「今度ばかりは参った参った。」と笑いながら帰って来ました。目を覚まして、親類の声を僕らは一年近く聞けなかった事に気付きました。気管切開して何かと理由を付けて塞がれず、リハビリも意思疏通も病院ではなされてなかったのです。それでも僕には親類の言いたい事が伝わってきました。僕らは音声を発さない人と接するのに慣れています。唇の動きや視線等で僕らは意思を読み解きます。

 意志疎通できないと思われると、僕らは意思のないものとして扱われてしまう。そう知ったのは衝撃的でした。親類は僕を見て、唇をいつもの呼び名の形に動かしていました。意識と意思を感じました。でも医師達はそう思わなかったようでした。廃用症候群(disuse syndrome(生活不活性症))(参照)の恐れがあるため喉よりも四肢のリハビリを優先させるのは分かります。でも意思表示をできるだけ早く回復(あるいは獲得)させるのが生活の質(Quality of Life)の向上に繋がると痛感しました。同時に、支援者として当事者の代弁者であることを意識したアドボカシー(advocacy)(参照)の視点は大切だと知ることができた。何よりも相手が何を思っているのか知りたいという原点を大切にしなければと思います。

 森喜朗さん(1937.7.14-)の発言がまた話題になっています。発言をよく読むと、「女性は優れており、競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される。」という部分は伝聞として言ってるんですね(参照)。女性は協調性が高い傾向だとする研究()は見たことがありますが、競争意識が強いという研究は見たことがありません。ご教授頂ければ幸いです。ある程度読むと全体的には女性を誉めているとも取れますが、言い訳がましいので問題視する人はするのだろうなと思います。これは女性蔑視が問題と言うよりもエビデンスのない話を公の会合で持ち出す感覚の方が問題だと思います。しかも今は科学的な根拠を持って様々な決定をしなくてはいけないお立場なはず。科学的根拠なく考えるトップがいると思われたら、組織の決定にも懐疑的にならざるを得なくなります。「みんなわきまえておられる。」というのも女性蔑視よりも会議では空気を読まなくてはいけないという発想が問題なわけです。女性の視点でばかり批判する社会もおかしいなと思います。

 とは言え、昔はこんな軽口を叩くおっちゃんが沢山いました。そういう時代ではないということでしょう。森さんは亡くなった親類より少し年上。親類のように喋りたくても喋れない人もいれば、喋りたい事を喋って叩かれて逆ギレする人もいる。そうなると好きな事を喋って自由に生きられるような立場になるのが本人のためにも幸せなんじゃないかと思います。

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2021年2月4日(木)[ソーシャルワーカ(4)]

 最近、公認心理師受験を考えている同僚が増えてきました。それで分かったのが相談支援専門員界隈で公認心理師受験が流行っているらしいという事。何故なのだろうと思っていました。相談支援専門員は人の繋がりが多いのでブームが起こりやすいのが一つ。相談支援専門員は「志が高い」ので(参照)自己啓発に引っ掛かりやすいというのが一つ。「相談支援」は「相談」であり「カウンセリング」だから「心理学」だという誤解が一つです。

 障害者福祉の世界では「相談支援」とは昨日見た通り「計画相談と呼ばれる支援計画の作成や関連機関との連絡・調整、障害をお持ちの方やそのご家族の相談に対し助言等を行(参照)」う事で、相談=支援計画の立案・調整であり狭義のソーシャルワーク(ケースワーク(?))です。一般的には相談≒カウンセリングであり、カウンセリング≒心理学となるでしょう。どうやらそんな感じで受験が流行っているようなのです。僕のイメージでは心理学を本当に必要としているのは日常的に直接利用者さんに働きかけている現場のケアワーカ(?)なので、かなり違和感を感じていました。

 令和元年度障害者白書では、公認心理師はリハビリテーション等従事者として理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士と並んで計上されていました(参照)。基本的にはケアワークの資格なのだと理解しています。公認心理師の業務は、「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって(公認心理師法第二条)」、「心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること(公認心理師法第二条一)」(心理的アセスメント)や「心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(公認心理師法第二条二)」(クライエントへの心理的支援)や、「心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(公認心理師法第二条三)」(クライエントの関係者への心理的支援(コンサルテーション))や「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと(公認心理師法第二条四)」(心の健康に関する知識の普及)「を行うことを業とする者(公認心理師法第二条)」です。社会福祉士と精神保健福祉士の「相談援助」とは基本的には支援を受けるための相談だと理解していますが、公認心理師の「相談」とは基本的には相談そのものが支援になるものだと理解しています。そういう直接的に支援する資格であると思っているので、僕はこの公認心理師を取ろうと考えたのです。そうでなければ仕事の役に立つとは思えませんし。

 それはそれとして、社会福祉士、精神保健福祉士、(仮称)子供家庭福祉士と乱立しようとするケースワーク国家資格に対してケアワークの国家資格は介護福祉士(他に保育士や児童指導員任用資格(≒教員免許)もありますが)のみです。数的には社会福祉士233,517人、精神保健福祉士85,122人、介護福祉士1,624,829人(いずれも2019年3月末現在)ですが(参照)、もっと専門化を図るべきではないでしょうか。医療系だと医師や看護師や准看護師や作業療法士や理学療法士や視能訓練士や義肢装具士や言語聴覚士と専門化が図られています。社会福祉士と精神保健福祉士と(仮称)子供家庭福祉士はきちんと整理すべきだと思いますが、ケアワークの資格に関しても(介護福祉士が保育士資格を取りやすくするとかやられているようですが)統合すべき所は統合し、専門化を図るべきは分化させるのが必要なのではないかと思います。あと、社会福祉主事任用資格や教員免許を活用できないのかとも思います。と元無資格者は切実に思うのでした。

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2021年2月3日(水)[ソーシャルワーカ(3)]

 福祉就職イベントに人が集まらず、サクラとして参加したことがありました。業界有名人の対談に出ると「この中で相談支援を目指している人」と壇上の有名人が投げ掛けました。かなりの学生が挙手しています。「みんな志が高いねえ」と有名人は言い、僕は違和感を覚えました。障害者福祉業界は、学者・経営者等の上級層と、相談支援や意識高い支援者の準上級層と、直接支援をしている中級層と、直接支援しない雑用と見なされる下級層に分かれているように感じられます(参照)。

 今回ソーシャルワークの定義について学んでみて、そのソーシャルワークの定義自体にそういう格差を生む要因があるように感じました。と言うか、そういう格差にどっぷりの人の世界がWikipediaに反映されているのかもしれません。ソーシャルワークは「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である(参照)」とWikipediaでは定義されていますが、「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する」とか考えられるのは、「実践に基づい」ていないけど学者や経営者層だけです。まずここで分断が起きます。こういった上級層によるパワーハラスメントが昨年問題になりました(参照)が、そういった格差の下この業界では対岸の火事ではないと感じています。

 そしてその下は、ソーシャルワーカという時に社会福祉士と精神保健福祉士のみが想定されていて介護福祉士は除外されている(参照)ように、社会福祉士と精神保健福祉士の受験資格を得るための単位にはケースワーク関係が多い(参照)ように、ケアワーク(直接介護)はソーシャルワークから除外される事が多い(参照)ため、狭義のソーシャルワーク(ケースワーク)層とケアワーク層に分かれてしまいそうです(参照)。そもそも社会福祉士は「専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。(社会福祉士及び介護福祉士法第二条(抄))」という「相談援助」を業とする資格で、精神保健福祉士は「精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいう。(精神保健福祉士法第二条(抄))」という「相談援助」を業とする資格であるのに対し、介護福祉士は「専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。(社会福祉士及び介護福祉士法第二条2(抄))」という「介護等」を業とする資格です。一時期ピーターの法則(Peter Principle)というのが話題になっていました(参照)。これは、人はその能力の限界まで昇格していくのでそのポストには更に上を目指す能力に余力のある人とそこが限界の人が占めているというものだったと思います(参照)。それぞれの層は適性も違うと考えられるので、うちはピーターの法則は当てはまらない業界なのではないかなと思います。そうなると、各層の異動は昇格降格というより職種変更のようなイメージの方が好ましいのではないかと思ったりします。

 今日はフリーでしたがそれを知らない上級層に用事を頼まれ、他に押し付けるのも何だったので少し働きました。悲しいので感染防止に気を付けながらジャンクPCを見に行きました。地方だと常に品があるわけではないので苦労します。

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2021年2月2日(火)[ソーシャルワーカ(2)]

 銀座のクラブが問題になっていますが、僕の身の回りではClubhouseが話題になっています。なんか既視感あるなと思ったら、mixiFacebook(GREEは比較的早くに招待制を引っ込めたので除外)の初期も似た感じでした(内容的には土曜夕方にFMでやってる番組っぽい)。しかしイヤラシイのが招待枠が1人2名に制限されているという事。初期のうちは誰かの上位2位以内にいる人達の集まりという事で、2人のうちに入るか入らないかとか、2人だけ選ばないといけないとか、人間関係を大切にしている人には結構なプレッシャーなのではないでしょうか。いずれは枠は余りだしますし、或いは招待制を緩める可能性もあります。いずれにせよ今のブームは気持ち悪いので、登録したとしてもParlerの方が先でしょう(Parlerは今アクセスできないので当分やらないという意)。そもそも現在はiOS版(参照)しかないですし、そんなにデータ通信量使えませんしね。

 僕は以前、相談支援専門員の資格をもっていました。相談支援専門員とは「計画相談と呼ばれる支援計画の作成や関連機関との連絡・調整、障害をお持ちの方やそのご家族の相談に対し助言等を行(参照)」う業務で、実務経験を積んだ人が講習を受ける事で得られる資格です。具体的には「障害福祉サービス事業」で、「児童指導員任用資格者」が、「通算して5年以上」実務経験を積んだという事で「相談支援従事者初任者研修」を受けて資格を取りました。サービス管理責任者を取る際に相談支援従事者初任者研修の前半を受けなければいけなかったついでに僕は取りました。あまり必要性のない資格だったので5年後の現任者講習を受けるのを忘れてしまい失効しました。

 ところがこの実務経験にはなぜか、老人福祉施設や介護老人保健施設も含まれています。稀ではありますが、障害者福祉の現場を知らずに相談支援専門員になる方もいらっしゃいます。高齢者福祉だと介護支援専門員に相当する資格らしいのですが(参照)、「相談支援」と言われると悩み相談の係(カウンセラー)だと勘違いする人もいるようです。逆に我々は介護支援専門員と聞くと介護の現場でバリバリやっている人のように勘違いしてしまいます。それで身体介護に疲れた人がカウンセラーになろうかいと講習を受けて、勘違いしたまま転職するというケースがあるようです。

 今日はガラホのTorque X01(KYF33)(参照)の充電ホルダ(KYF33PUA)(参照)(参照)を買いに行きました。microUSB端子の接触がたまに怪しいからです。ところが充電ホルダの接触も怪しかったです。非常事態宣言下の危険を冒して行ったのにこの所業。困ったもんだ。まあ今日は現場2つに事務所1つ回ったので元々危険ではありましたが。

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【2021年2月6日追記】

 サントリー・サタデー・ウェイティング・バー(参照)は2013年3月30日に終了したそうです。まーちょっとバブルっぽい番組やったしね~と思ったら、放送開始は1992年4月4日なのだそうです。意外と新しい番組だったのか(参照)。ちなみにAvantiとはイタリア語で前にという意味で、ファシズム(fascism)の提唱者ムッソリーニ(Benito Amilcare Andrea Mussolini,1883.7.29-1945.4.28)が編集長を勤めたことのあるイタリア社会党の機関紙名でもあるそうです(参照)。ムッソリーニの生涯を初めて読みましたが、元々は教員だったんですね。外国語も堪能でスポーツもできてモテる(教え子とも結婚している)。とんでもないリア充ですが友達はそんなに多くなく思索的な人だったようなので許す。


2021年2月1日(月)[ソーシャルワーカ(1)]

 ソーシャルワークという用語を誤解していました。20年近く障害者福祉に携わっておいてどういう事だとご批判もあるでしょうからこっそりここに書きます。でも、悪いのは僕ではないんです(皆さんそう仰います)。

 ソーシャルワーク(Social work)とは「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である(参照)」等の高尚な定義があるようですが、今一つよく分かりません。その方法は多岐に渡っており、直接援助技術としてケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)、ケアワーク(直接介護)があり、間接援助技術としてコミュニティワーク(地域援助技術)、ケアマネジメント(援助計画)、社会福祉管理運営(福祉施設運営方法、アドミニストレーション)、社会政策(福祉制度・法律)、社会福祉調査法(社会総体の調査)があるとWikipediaは主張しています。

 でも僕の中のソーシャルワーカは、要支援者の話を聞いて支援計画を作って関係各所と調整してマネジメントする人達です。障害者福祉分野では相談支援専門員です。ケースワーカと呼ぶべきなのでしょうが、ケースワーカと言うと生活保護家庭を巡回して、仕事しろ仕事しろと言う役所の人というイメージです。そもそも社会福祉士養成の実習指導の先生が「ケアワークではなくソーシャルワークをやらせてください」と言っていたと聞いた事があったので、プロでもそう思っている人がいるのだろうと思います。ちなみにブリタニカ国際大百科事典にはソーシャルワーカの説明として「患者・高齢者・障害者やその家族が適切な医療・保健サービスを受けられるように相談窓口となり,心理的・社会的問題の解決や助言,社会復帰への促進・援助,各関係機関との連絡・調整などを行なう(参照)」と書いていますので従前の僕の印象に近いです。

 「ソーシャルワークは本来、民間のボランタリーな活動であり、あらゆる国家や思想、権力、組織などから独立した学問を基礎とする実践である(参照)」とWikipediaにありますが、日本のソーシャルワークはそうなっているのでしょうか?日本の大学で社会福祉を扱う学科は、制度に遅れて作られました(参照)。国家試験受験資格の学校であり、その科目の多くは制度の勉強に費やされているように見えます。制度を知らなければ改革はできませんが、僕の知るWikipedia風のソーシャルワーカはどなたも福祉系出身ではありません。心理学も公認心理師制度によってそんな風になっちゃうんでしょうかね~。

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